何度接触しても嫌われにくい!今こそ見直したい「電車内ビジョン広告」の効果
電車内の各種広告は、通勤・通学で毎日乗車する人に対して反復接触による記憶定着などの効果が見込める上、訴求力の高い動画広告である「電車内ビジョン広告」はさらに高い広告効果を期待できます。
本記事では、電車広告および電車内ビジョン広告の具体的な効果・メリットを詳しくご紹介していきます。
主要6メディアの中での電車広告の特徴・効果
電車広告の特徴を理解するために、まずは主要6メディアにおける到達率の違いを見てみましょう。
▼主要6メディアへの接触率(出典:ジェイアール東日本企画)
上のグラフを見ると、マス4媒体と比較して電車広告はテレビに次ぐ高い接触率であることがわかります。また男女ともに学生の接触率が、テレビの接触率に近く、「ニュースサイト・特集記事」より高いという傾向も明らかになっています。若年層のテレビ離れが進んでおり、ニュースなどにもまだ関心が低い一方で、通学のために毎日のように電車に乗るため、電車広告の接触率が高くなっていることがわかります。
続いて電車広告の特徴・効果を4つご紹介します。
1. 車両内という特殊な環境下での高い強制視認性
電車という閉鎖的な空間に一定時間とどまる乗客たちは、自然と車内広告を目にすることになります。立教大学とネオマーケティングの共同調査によると、電車内広告に該当する「つり革広告」「ステッカー広告」「電車内サイネージ広告(動画広告)」に対して、「毎回見る」または「たまに見る」と回答した人が8割を超えています。
2. 比較的好意的に受け止められる
電車内は様々な広告が存在することが当たり前の環境であり、乗客はその中から自分が関心がある広告を選んで見ることができます。場合によっては、車内での暇つぶしになる、ちょっと有り難い存在にもなり得ることから、電車広告は比較的好意的に受け止められやすいと言うことができます。
実際、前述の調査でも、電車広告に対する印象として、「親しみがわく」「印象的である」「面白い」などポジティブなワードが上位に並んでいます。
インターネット広告は、アドブロックが普及するほど嫌われる存在になってきていることを考えると、好意的に受け止められやすいという特徴は電車広告の大きな強みと言えるでしょう。
3. 反復接触による記憶への定着
通勤・通学を目的に電車を利用する人は、ほぼ毎日、同じ時間帯の電車に乗り、繰り返し広告に接触することで、その内容が自然と記憶へと刷り込まれていきます。
インターネット広告では関心のない広告に何度も目にするとブランド毀損につながる可能性もありますが、電車内には当たり前のように広告が並ぶため、嫌悪感を持たれることもなく反復接触ができるという強みがあります。
4. モバイルとの相性の高さによる波及効果
近年は電車内でスマートフォンを利用する人の割合が非常に高くなっています。電車広告はもともと地域性が高いという特性を持つ広告媒体ですが、面白い広告を車内で見かけると、その場でSNSなどですぐに発信できるため、路線エリアに留まらず、広く話題化するケースがあります。あるいは、車内広告を通して気になった商品をその場で検索して調べたりECサイトなどを見ることもできるため、購買に直接的に寄与する可能性もあります。
電車内ビジョン広告の特徴・効果
続いて、近年配信枠が増えている電車内の動画広告「電車内ビジョン広告」について見ていきましょう。
電車内ビジョン広告は、電車内に設置された液晶ディスプレイを使った広告の総称で、「トレインチャンネル(JR東日本)」「Tokyo Metro Vision(東京メトロ)」「小田急TV(小田急電鉄)」「WESTビジョン(JR西日本)」など、鉄道会社各社がそれぞれ独自の商品名をつけて販売しています。
電車内ビジョン広告には、上で挙げた電車広告の強みに加えて、以下のようなメリットがあります。
1. 「動き」が持つ特性による高い訴求力や記憶定着効果
電車広告の特徴のひとつに「強制視認性」がありますが、動画である電車内ビジョン広告は「動き」によってさらに目を引きつけやすいという強みがあります。人は元来、静止しているものよりも動いているものに目や意識を向けるという特性があり、他のポスター広告に比べて高い視認性が見込めます。
そのほかにも動画には情報伝達力や記憶定着力の高さなど様々な効果があり、これらの効果は電車内ビジョン広告でも有効に働きます。
参考記事:なぜ「動画」なのか?――動画が持つ4つの価値を知り、動画マーケティングの効果を最大化する
2. 表現の自由度の高さ
静止画のポスター広告よりも、動画広告の方が表現の幅が広いことは言うまでもありません。また、いわゆるプロモーション広告ではなく、お役立ち情報や豆知識など、情報系コンテンツをビジョン広告で配信し、ブランドや商品に対する好意度向上を図るといったクリエイティブもよく見られます。
最近ではJR東日本の「まど上チャンネル」のように3面のディスプレイを使える枠もあり、3面を連動させた従来にないダイナミックなクリエイティブ表現も可能になっています(画像引用元)。
3. 「意識的に見る」人が多い
JR東日本企画による調査によると、電車内ビジョン広告(トレインチャンネル/まど上チャンネル/サイドチャンネル)は他の広告面よりも「意識的に見る」人の割合が比較的高いことがわかります。
人が多く立つドアの上の広告(トレインチャンネル)などは習慣的に見る人が多いことによるものと推測されます。また「動きがある」「ストーリー性(時間軸)がある」という動画の特性上、一種の”ヒマ”な状態である電車内において、一度目に入るとついつい見てしまう人が多いこともうかがえます。
多くの広告が生活者から敬遠される昨今、意識的に見てもらえる電車内ビジョン広告は、その企画やクリエイティブを工夫すれば非常に高い広告効果が期待できると言えるのではないでしょうか。
新しい生活様式へとシフトし、電車の利用状況も変わってきていますが、都市圏ではいまだに多くの人にとって必要不可欠なインフラであり、広告媒体としてのその特徴的な価値は変わっていません。訴求力の高い動画広告の掲載先として、ぜひ活用を検討されてみてはいかがでしょうか。