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2023-10-10 20:14

マーケティングにおけるペルソナってナンだ?

ペルソナとターゲットの違い

広く商材をとり扱うビジネスパーソンにとって、商材や商品を売り上げにつなげるマーケティング方法を知ることは、必須命題のひとつです。動画制作に限らずマーケティングにおいて売る側のイメージする商品像と買う側のニーズがうまくマッチングすることが、非常に大切になってきます。

その際に大事なことが「ペルソナ」を構築することです。ペルソナという言葉は、元々は心理学において人間の外的側面という意味合いがありましたが、ビジネス用語では商品や商材に対する具体的なユーザー像のことを指します。

ターゲットと混同しがちですが、ターゲットは対象が割と大雑把であることに対して、ペルソナはターゲットのように年齢層や住居、趣向といったシンプルな対象だけではなく、どんな仕事をしていてどのくらいの収入があるか、家族構成、休日の過ごし方、SNSの利用頻度など、限りなく一個人に近い対象にまで絞り込みます。

そうすることで、消費者がどのようなプロセスを経て商品にまでたどり着くかを詳細まで知ることができ、動画やWebの企画制作や広告メディアの選定など、マーケティング活動においてもペルソナに合わせた設計が重要となります。

ペルソナを設定する意図

ターゲットだけではなく、ペルソナを設定することは商品をより魅力的に仕上げる上で非常に効果的です。どのような効果が得られるかを説明していきましょう。

商品の精度が上がる

ペルソナを詳細に設定して絞り込むことで、ユーザーの求めるもの対して細やかな商品制作や広告配信を実現することができます。ペルソナがはっきりすればするほど、場面に応じたズレが生じづらくなります。

チーム内での共通認識が高まる

商品や商材を制作する際には、多くの人間がさまざまなカタチで絡んでいきます。企画、制作、営業、広告、運用など、多くの人がチームを組んで商品を売り出そうという時にペルソナが具体的であるほど、商品のクオリティはニーズに沿ったものになっていきます。

コスト削減

顧客ニーズがはっきりしていないと、その分だけ試作や反芻するための時間とお金を浪費することになります。つまり、ペルソナがはっきりしていないとその分だけコストはかかってしまうのです。ペルソナをはっきりさせること=イメージの共有をしっかりすることになるので、余計な手間をかけないで済むことになるのです。

 

ペルソナのデメリット

ペルソナを作成することには、多くのメリットがありますが、当然のことながらディティールを決めすぎることによるデメリットもあります。

 

漠然としたペルソナ決定の危険性

ペルソナは原則としてデータに基づいて構築される必要があります。担当者の個人的見解が多くを占めてしまうと間違ったニーズに対して商品を作成することになり、セールスの失敗へとつながってしまいます。できるだけ多くのデータを取得してペルソナを丁寧に具体化することで、その後のスムーズなビジネスの成功につながります。

変動するペルソナに対応できない

大衆ビジネスにおいて流行は常に流動的でスピード感を持って変化していきます。ペルソナを作成後に変動していくような商材の場合、変動したペルソナを修正しないと古いペルソナに基づいたビジネス展開をしていくことになります。商品完成までに長い時間を要する場合は、適宜ペルソナの変動に目を向ける必要があります。

 

ペルソナ事例

事例1 BtoC スナック菓子「Jagabee」

カルビーの人気商品「Jagabee」は、ペルソナマーケティングをとり入れて成功したことで知られています。カルビーは、どちらかというと広範なターゲットに対してビジネス展開する「みんなのお菓子」をつくることを常套手段にしていましたが、Jagabeeの成功によって新たな方向性を見出しました。

【Jagabeeのペルソナ】
女性 東京都文京区在住
性別 女性
年齢 27歳
趣味 ヨガ/水泳
家族構成 独身

【具体的な施策】
・女性向けの優しいパッケージデザイン
・ファッション誌「Oggi」で活躍する女性モデルヨンアのCM起用

【結果】
生産が追いつかず発売停止になるほどの売れ行き

 

事例2 BtoC 外食チェーン「Soup Stock Tokyo」

食べるスープをコンセプトとしたレストラン「Soup Stock Tokyo」はペルソナマーケティングによって大きく成功した事例のひとつです。「秋野つゆ」という具体的な名前や「社交的である」とか「自分の時間を大切にする」など、性格に至るまで細かい人物設定をしたことによって、ニーズをはっきりとさせて成功させたのです。

 

【Soup Stock Tokyoのペルソナ】
名前 秋野つゆ
年齢 37歳
職業 バリバリのキャリアウーマン
家族構成 独身または共働き
年収 経済的に余裕がある
性格 社交的/自分の時間を大切にする/シンプルでセンスの良いものを追求する/装飾より機能を好む
特徴 プールに行ったらいきなりクロールで泳ぐ/フォアグラよりレバ焼きを好む

【具体的な施策】
・安心、安全でおいしいスープ
・女性ひとりでも入れる店舗設計&デザイン
・駅構内の導線上に店舗展開

【結果】
創業10年で売上高42億円 全国60店舗以上チェーン展開

 

AI &SNSマーケティングvsペルソナマーケティング?

昨今のAIやSNSを利用したマーケティング市場の変化により、ペルソナマーケティングは不要という意見があります。果たして現代においてペルソナマーケティングが不要かどうかを検証します。

SNSマーケティング

昨今はSNSを利用した口コミマーケティングによって売り上げを伸ばす業態がにわかに増えてきています。情報はSNSより取得し、リアルな口コミ情報をSNS上に流れてくる広告などから取得し、自分にあった情報を取捨選択して購入することが日常となっています。

これらの流れの変化から「誰が買うか」よりも「どの場面で買うか」にフォーカスされるようになりました。つまり、買ってくれる人を絞り込むのではなく「SNSで美味しそうなグルメを食べいる知人を見て自分も行きたいと思った」など、行動に着目してマーケティングをする傾向にあるのです。

つまり、誰が買うかを踏み込んで知っていくことよりも、どんな場面で何を欲しがるか? に着目することに優先順位をおいているのです。殊にSNSの利用頻度が高く、amazonや楽天などを頻回に利用して買い物をする現代において、ウェブ上でいかにアピールするかということが非常に重要視されています。

 

AIマーケティング

SNSの利用頻度の向上と連動するようにAIによる関心の高い項目を自動検出して提示する機能がデフォルトで実装されるようになりました。広告もAIが検出したデータに基づいて表示されます。そのため、ペルソナを構築することにはそれほど意味がなく、いかにしてウェブ上の関心に引っかかる商品や商材を開発し、関連商品として表示できるかに着目されるようになったのです。ツイッターやインスタグラムのトレンドに入るような俗にいう「映える」項目を商品化すればおのずと売れるという導線が見えてきます。

 

新時代のペルソナマーケティング

だからと言ってペルソナが用無しかと言えばそういうことではありません。ネットで商品や商材を購入することが日常になったものの、飲食や衣服に関しては未だ実店舗でのビジネスが主流です。

また、SNSを利用して購買活動をすることを前提にした上で、ペルソナを構築することで、どちらも有効活用し、複合的な考察を重ねていくことで、適切なビジネス展開をすることが可能になるのです。

AIで検出され、SNSの口コミのいいね!で心惹かれるある年代の一定の趣向の人物像を絞り込むことは、ペルソナマーケティングの新たな成すべき課題となります。どちらか一方向の方法論に捉われることなく、全体を見据えてどの方法に優先順位をおいて実行していくかを考えていく必要があります。

今回はペルソナをテーマとした内容ですが、LOCUSではペルソナの設計からYouTubeやテレビCM、展示会、商談、採用や研修など、様々な活用シーンにおける動画活用のコンサルティングを行っておりますので、ビジネスで動画を活用することに興味がございましたらお気軽にお問合せください!

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