株式会社LOCUSは、本日2020年4月2日に創業10年を迎えることができました。これもひとえにお客様、そしてまだ何もない頃から関わっていただいた全ての関係者の皆様の多大なるご支援あってのものであり、心より感謝申し上げます。
今回は、日頃お世話になっております皆様と一緒に、LOCUSの10年間の歩みを振り返らせていただきたく、筆を取らせていただきました。お付き合いいただけますと幸いでございます。
リーマンショックとLOCUSの立ち上げ
LOCUSの原点は、私が2006年に新卒で入社した株式会社ビースタイルで立ち上げた「社内SNS×動画」というサービスです。当時は、新サービスの立ち上げに意気揚々と取り組んでいたのですが、わずか1年後に事業方向転換を余儀なくされ、2007年にそのサービスを「新卒採用向け動画コンサルティング事業」に切り替えたのが現事業の原型となります。
その後、新卒採用領域に限らず広告や販促・教育研修など、徐々に領域を拡げていく最中にリーマンショックが起きました。
結果的にリーマンショックを機に新規事業の撤退という決断が下り、責任者を務めていた私が動画事業をビースタイルから引継いだのが「LOCUS」の歴史の始まりです。
創業期のLOCUS
学生時代から、起業する際は「社会的意義があり成長市場で」と考えており、 偶然のご縁でしたがその考えと「動画」が合致したことから、社会人5年目が始まったタイミングで起業をいたしました。
当時は、私ともう1名、そしてビースタイル時代からお付き合いのあるフリーランス動画クリエイターの仲間とともに、アヴァンデザイン研究所さんというビジネスパートナーのオフィスの一画を間借りさせていただきLOCUSはスタートしました。
しかし、お恥ずかしい話ではありますが、今振り返ると勢いで起業を決断したこともあり覚悟が足らず、 動画や広告とはあまり関わりのない学生生活を送っていたのも重なり、本当に動画事業で勝負をしていくのか悩んでいた時期もありました。
私自身がこのように揺らいでいるようであれば新たに社員として誰かを迎え入れる資格はないと思い、創業から2年間は組織もオフィスも変えず、ほぼ個人事業主に近い状態が続きました。その間、かなり優遇された条件にて2年間もオフィスをご提供いただいたアヴァンデザイン研究所さんへのご恩は一生忘れません。
創業2年目に起きた大震災
創業翌年には、クライアントさんとの動画制作の打ち合わせ直前に東日本大震災が発生。お仕事のキャンセルや延期が続き、キャッシュが限られている中、不安な日々を過ごしたことも鮮明に思い出されます。
また、笑い話としては、私含めて2名の会社でしたので、営業は基本的に私一人で行くことが多かったのですが、取引クライアントの中には日本を代表する大手企業も多く、一見ある程度の規模の会社に見られることもあったので、社長一人で営業に行くのはネガティブかなと思い、社長名刺の他に、「営業部長」や「プロデューサー」という肩書の名刺も活用して営業活動を行っていたことは、今となっては懐かしい思い出です。
会社自体が小規模であったことと、営業にだけは自信があったので、なんとか東日本大震災も乗り越えて、ある一定順調かつ、自由な創業2年間を過ごす中で、強く感じるようになったこと。それは、テクノロジーの進化やスマートフォンの普及により、動画の活用シーンが日に日に変化していっていること。そして、動画業界に秘められた可能性でした。
創業当初からの想い
会社を創業したときからずっと、今も変わらず抱き続けている想いが2つあります。
- 1つ目は、ゼネコン型ありきではない動画制作フローと、ビジネス成果に寄与する動画を提供すること(表現/成果共に高クオリティを目指す)
- 2つ目は、動画×◯◯で社会的意義のある事業を創り続けること
動画=テレビCMなどに限定されていた時代からスタンダードであったゼネコン型の下請け多重構造を完全に否定するわけではないですが、当時、テレビCMに代表されるような動画は複数の代理店が絡むことで中間マージンが重なり制作費が高騰。そのため動画を活用できる企業は必然的に大手企業に限定されているように思いました。そのような動画業界のスキームに、異なるものがあってもいいのではないかと思い、創業以来、フリーランスクリエイターをネットワークするビジネスモデルで、動画コンサルティング事業を展開してきました。
また、「動画×◯◯」で社会的意義のある事業を創りたいと思っている新規事業に関しても、小さな成功と失敗を繰り返しながら複数の事業を展開しています。今後もますます進化する動画の可能性を信じ、中期的にはスマートコンタクトやDOOH(デジタルサイネージ)、電子ペーパー、ホログラム、AR、VRなどテクノロジーの進化に合わせて、「動画×◯◯」をテーマに、グローバル規模で動画関連の新たな事業を仕掛け、社会的意義のある事業を創造し続けていきたいと考えています。
10年経ち、想うこと
創業から10年間という長いようで短かった月日を経て、LOCUSは現在、50名を超える仲間と700名以上のフリーランスクリエイターが集うチームへと成長できました。
創業3年目に間借りしていたオフィスから卒業をし、新たな社員を迎え入れたころ思い描いていた10年目の姿にはまだ追い付いていないことも多数ありますが、嬉しいことも悲しいことも悔しいことも沢山の経験をさせていただき、且つ成長させていただいた10年間でした。それは全て、現在共に働く仲間はもちろん、クリエイターさん、クライアントさん、パートナーさん、プライベートの友人・先輩、私の家族、前職ビースタイルの皆さん、アヴァンデザイン研究所さん、そして卒業していった仲間も含めて、LOCUSに関わる全ての方々のおかげです。心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。
本来であれば、お世話になった方々をお招きして入社式も兼ねた創業パーティーを執り行う予定でしたが、新型コロナの影響で先週からLOCUSも本格的にリモートワークに切り替えたため、自宅で迎える10周年となったことを寂しく思っております。この事態が落ち着きましたタイミングで、改めて皆様に感謝をお伝えさせていただく場を設けたく思っております。
そして、これから
3月から11期がスタートしていますが、今期は新たに動画コンサルティング事業において執行役員を1名選任しました。成長著しく信頼できる部長、マネジャー、そして役員陣を中心にONE TEAMで、「ビジネスで動画を活用するならLOCUS」と第一想起していただけるよう強い組織づくりに邁進してまいります。
現在は、新型コロナが世界経済へ及ぼす影響も予測できない状況ではありますが、対面ではなくオンラインでのコミュニケーションが急増した中で、Webセミナーやオンライン商談がより一層普及し、動画活用のお問い合わせも多く、新たな動画ニーズが高まっている状況もございます。
テキストや画像と比較して 、「多くの情報が正確に伝わる」 「動きで目を引く」
「記憶への定着率」 「感情的なつながりを生み出す」 など、科学的にも裏付けされた動画の優位性を活かし、 「動画が、ビジネスを動かす」ソリューションを一つでも多くご提供できるよう尽力いたします。
アフターコロナの世界では今までにない動画の活用や価値が見出されるチャンスでもあると捉えて、まずは関わる全ての方々の健康を第一に、LOCUSの仲間と乗り越え、これからも一歩ずつ前進をしていきたいと思っております。
最後に
事業や組織は変化しつつも、100年、1000年と長く続く会社を創りたいという想いから、LOCUS(=軌跡)と名付けました。
(余談ですが、時々、「ルーカス」と呼ばれることがございまして、「ジョージルーカスさんがお好きなんですか?」なんてご質問を頂戴したこともあります。正しくは「ローカス」ですので、これを機に改めてご認識いただけますと幸いです。)
「真面目に素直に誠実に」というLOCUSの行動指針に従い、予測不可能な未来に向かって、これからも変わらぬ姿勢で経営をして参りますので、皆さまにおかれましては今後も格別のご理解とご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
2020年4月2日
株式会社LOCUS 代表取締役社長 瀧 良太