
(左)株式会社カカクコム 食べログカンパニー事業戦略部 新規事業開発チーム 林 泰斗氏 (右)株式会社LOCUS 担当コンサルタント 大井
・ 商品の宣伝や収益化を目的としない特殊なチャンネルゆえに、一般的なYouTubeの成功法則や指標が適用できず、企画立案の明確な基準を持てずにいた
・ ベンチマークとなる類似チャンネルが極めて少なく、当チャンネルの伸びしろを測る術がなく、次の一手を打つための客観的な判断軸を欠いていた
・ チャンネルの全動画および市場分析(約2ヶ月)を実施し、データに基づいた運用方針を整理・策定
・ 担当者が自律的に運用できるよう、VSEO(Video SEO=動画の検索エンジン最適化)の知見を体系的にインプットする研修を実施
・ 研修で得た知見と生成AIを活用したデータドリブンな運用により、クリック率が大幅に改善
・ チャンネルの社会的価値が可視化されたことで、他部署から協力の依頼が寄せられるなど、社内外におけるプレゼンスが大きく向上
「ユーザーファーストで、新しい常識を作る」をミッションとし、購買支援サイト「価格.com」やレストラン検索・予約サービス「食べログ」、求人情報の一括検索サービス「求人ボックス」など、日々の生活が豊かになるようなインターネットサービスを幅広い分野で運営するカカクコム。
同社食べログカンパニー事業戦略部では、飲食店の経営に寄り添い、現場に役立つ情報を届けたいという思いから、YouTubeチャンネル「飲食店のための食べログチャンネル」を運営している。しかし、同チャンネルは一般的な企業チャンネルとは異なり、商品宣伝や直接的な収益化を目的とせず、あくまで飲食店にとって本当に価値のある情報を届けることに特化しているため、一般的なYouTubeの成功法則や、バズを狙った手法はそぐわなかった。
このチャンネルの成長を、どう測ればいいのか――ベンチマークとなる類似チャンネルも存在しない中、企画ネタの開拓や運用方針の策定に苦悩する日々が続いていた。なんとなくの運用から脱却し、蓄積された動画資産を正しく届けるための指針が必要――。そんな危機感が、今回のYouTube運用の支援サービス導入のきっかけとなった。
今回は、食べログカンパニー事業戦略部 新規事業開発チームの林氏に、手探りの運用からデータドリブンな戦略へと舵を切った軌跡、そして支援を通じて得られた成果、新たな成功の形について、率直に語っていただきました。

繁盛店の裏側にある工夫や戦略を、現場取材を通して深掘りし、飲食店経営のヒントを届けることを目的としたYouTubeチャンネルを運用。
ー 元々はどういうきっかけでYouTubeを始められたのでしょうか?
林氏 2021年10月に、前任者がチャンネルを立ち上げました。コロナ禍の閉塞感が色濃く残る中で、多くの飲食店様が苦境に立たされていました。
私たちは、食べログというプラットフォームとして、何か支援ができるのではないかと考えました。繁盛店のノウハウや経営の工夫、そして専門家の知見を広く公開し、飲食店の現場に少しでも役立つ情報を届けたい。飲食業界全体がもう一度活気を取り戻すための、一助となりたい——。そうした強い思いが、このチャンネルの原点でした。

林 泰斗氏 / 株式会社カカクコム 食べログカンパニー 事業戦略部 新規事業開発チーム
ー YouTubeの運用を続ける中で、どのような壁にぶつかっていましたか?
林氏 立ち上げ当初から現在に至るまで、一貫して大きな課題となっているのが、企画ネタの開拓です。
飲食店様にとって本当に価値ある事例や、実践的なノウハウを見つけ出し、それを継続的にコンテンツ化することの難しさを日々痛感していました。私たちの役割は自社サービスの宣伝ではなく、あくまで現場に役立つ本質的な情報にこだわり続ける必要があり、その高いハードルを維持し続けることこそが、このチャンネルの運用における最大の難所であり、同時に最も重要なポイントだと感じています。
ー そのような悩みの中で、今回LOCUSへ相談された経緯と、依頼の決め手について教えてください。
林氏 一番の悩みは、チャンネルの成長度合いが正しく測れなかったことです。
飲食店を取り上げるチャンネルにはグルメ紹介や経営コンサルタントによる解説などがありますが、私たちのチャンネルのように、現場に足を運び、経営者の生の声を拾い、ノウハウとして紹介するというスタイルは非常に珍しいんです。そのためベンチマークがなく、今の伸びが早いのか遅いのか、あとどれくらい伸びしろがあるのか、全く判断できませんでした。
私自身、元々テレビ業界の出身ですが、WebのYouTube運用に関しては手探り状態でした。前任者の運用方針を踏襲しつつ、自分なりに改善を加えていたのですが、「インプレッションやクリック率を変えてみたけれど、これで本当に合っているのか?」と常に不安でした。アナリティクスを見て「まあ、少し伸びたから大丈夫だろう」と推測するしかなかったんです。自信を持って進めるための確信が欲しかった、というのが正直なところです。
コンサルタント大井 おっしゃる通り、食べログさんのチャンネルは『飲食店の経営支援』という独自の目的を掲げられています。そのため、再生数や登録者数といった一般的な指標だけでは、チャンネルの本当の価値を測りきれない難しさがありました。セオリーが通用しないからこそ、このチャンネルに合わせた異なるアプローチが必要だったと感じています。
林氏 そうなんです。特殊すぎるがゆえに、第三者の客観的な知見が必要でした。
そんな中、数あるYouTubeコンサルティング会社の中からLOCUSさんを選んだ理由は、まず圧倒的な実績です。複数の官公庁や大手企業のYouTube支援、2,000社・20,000本の動画制作という数字は、やはり説得力が違いました。「ここなら、私たちの特殊な状況でも解決の糸口が見つかるのではないか」という直感がありました。
それに加えて、決め手となったのは事前の信頼関係です。以前からLOCUSさんのウェビナーに何度も参加していたのですが、そこでのお話が毎回納得感のあるものばかりでした。「じゃあこれをやってみよう」と試すと、実際に成果につながるような感覚があったんです。継続的に学ばせていただく中で、「ここなら伴走をお願いできる」と心から信頼できたことが、最終的な依頼の決め手になりました。

大井 崇史 / 株式会社LOCUS コンサルタント
ー 実際に、LOCUSが行ったYouTube支援の概要を教えてください。
コンサルタント大井 現在地の把握とインハウスでの運用力強化の両輪で支援させていただくプランをご提案しました。具体的には、大きく2つの施策を実施しています。
1. 初回分析
まずは、現状を分析します。チャンネルの流入経路や視聴データの詳細分析はもちろんですが、今回は特有のチャンネル構造でしたので、あえて競合の枠を広げ、企業だけでなく個人を含めた飲食に関わる幅広いコンテンツを発信しているYouTubeチャンネルを対象に、市場全体の中でどのような立ち位置にいるのかを調査・分析をしました。その上で、弊社の視点から今後のチャンネルの運用方針や、コンテンツ企画案をレポートとして提示しました。

初回分析資料の一部
2. VSEO研修
動画制作の一部を外注されているとはいえ、実際の投稿作業やタイトル・サムネ・概要欄の設計は林様が主導されています。そのため、運用効率を上げつつ、チャンネルをより強固にするためのVSEO対策を重点的にレクチャーする研修を実施しました。
具体的には、YouTubeの検索アルゴリズムを踏まえた、検索上位に表示させるための動画タイトルの設定方法や、クリック率を高めるサムネイル要素の最適化など、実践的なノウハウを共有しています。

VSEO研修資料の一部

ー 初回分析や研修を受けて、どのような感想を持たれましたか?
林氏 最初にLOCUSさんから「まずはYouTubeの健康診断をしましょう」とご提案いただいたのですが、まさにその言葉通り、今の運用のどこが健全で、どこに課題があるのかが明確に可視化され、非常に印象的でした。
それまでは、なんとなく耳触りのいい言葉を並べてタイトルやサムネを作ったり、良いサムネができたからそのままタイトルに転用したりと、感覚頼みの運用をしていました。それがなぜダメなのか、ロジカルに説明してもらった時はハッとさせられましたね。
LOCUSさんはデータに基づき緻密に分析してくれます。YouTubeはこれほど深く分析できるものなのかという衝撃と同時に、データと向き合う重要性を学びました。今ではアナリティクスの結果を細かくまとめるようになり、生成AIの力も借りながら、データに基づいた運用が当たり前になりました。まさに意識を変えてもらったと感じています。
ー 今回、競合がおらず目的設定も難しいという特殊なチャンネルでしたが、伴走にあたって特に意識されたことはありますか?
コンサルタント大井 一般的なYouTubeの成功法則がそのまま当てはまるとは限らない。その前提に立ち、まずは徹底的に、現状の解像度を上げることから着手しました。
具体的には、当時700本近くあった動画のすべてを、一つひとつ目を通しました。また、検索流入についても1位から500位まで詳細に洗い出し、視聴経路を細かく分類・分析しています。AIによる自動解析も可能な時代ですが、あえて手間を惜しまず、YouTube運用を熟知した人間が直接データに触れることにこだわりました。その地道な泥臭さからしか見えてこない、チャンネルの本質的な価値があると考えていたからです。

コンサルタント大井 また、分析レポートを提出して終わりにするのではなく、林様が日々の業務の中で、本当に使いこなせる提案かという点も常に意識しました。ミーティングのたびに、「今の林様の業務フローの中に落とし込めるか?」「私たちの意図は正しく伝わっているか?」と自分に問いかけながら、言葉の一つひとつを練り上げていました。
ー 今回のプロジェクトを通じて、どのような成果を感じていますか
林氏 一番大きかったのは、LOCUSさんから提示された分析の視点によって、自分たちの運用に確信が持てたことです。特に衝撃的だったのは、平均再生率とクリック率を軸にした4象限の分析チャートでした。
コンサルタント大井 まさにその通りで、そのチャートは私たちが最も大切にしている手法です。
少し補足させていただきますと、LOCUSではこの2軸で動画をマッピングすることで、「タイトルやサムネイル(視聴前の要素)」を改善すべきか、それとも「企画・構成(視聴後の要素)」そのものを見直すべきか、という具体的な改善方針が明確になるようにしています。
林氏 そうなんです。以前の運用は、クリックも再生も伸び悩む動画が多かったのですが、LOCUSさんから提供された分析データや知見を参考に自分なりの仮説を立て、改善を重ねたところ、明確に数字が上向いたんです。データに裏付けられた確信を持てたことで、迷いなくアクセルを踏めるようになりました。
また、企画や出演者に関するブラッシュアップのご提案も非常に良いと思っていて、5月公開の動画から、出演者を変更する予定です。こうした改善の積み重ねが、今後の成長をさらに加速させてくれると確信しています。
ー 具体的に、以前の運用からどのような改善を試みられたのでしょうか
林氏 サムネイルの方向性をガラリと変えました。
以前はあえて言い過ぎない方針でしたが、私は限られた時間で情報を探すユーザーは、確実に学びのある動画を選びたいはずだと考え、ノウハウの核心がひと目で伝わる構成にシフトしました。その結果、クリック率が段階的に改善し、以前は低迷していた数字が業界標準まで到達しました。 ただ、入り口を強化した分、今度は期待値に応える中身が問われるようになります。そのため、今は企画内容の精査や、より深みのあるインタビューを引き出すための工夫に注力していこうとしています。

ー 社内外の反応には、変化がありましたか?
林氏 大きく変わりました。以前は「飲食店のための食べログチャンネルを運営しています」と言っても「何それ?」という反応がほとんどでしたが、最近では「見てるよ」という声をいただけるようになりました。取材交渉も以前よりはスムーズになったように思います。
また、社内の各部署からもチャンネルの価値が認められ始めています。例えば、食べログが運営する飲食店専門の求人サイト『食べログ求人』の制作チームがブランディング目的で、飲食業界で働く若手のインタビュー動画を制作し、このチャンネルで配信する動きも出てきました。登録者数が増え、チャンネルの社会的価値が可視化したことで、社内外から「ここで発信したい」という声が自然と集まるようになったことは、大きな成果だと感じています。
ー 今回LOCUSに依頼して良かったと特に感じるのはどのような点でしょうか
林氏 一言でいえば、孤独な運用から解放されたことです。
現在、このチャンネルは私とアルバイトスタッフの計2名で運営しています。YouTubeの戦略について深く議論できる相手がおらず、動画やサムネイルに関する相談相手といえば生成AIくらいという環境でしたので、プロの視点で寄り添い、議論できるLOCUSさんの存在は非常に心強かったです。研修後もこの関係性は断ちたくないなと強く感じました。
ただ、コンサルティングとしてずっと伴走していただくだけでは、私たちの自律的な成長にはつながらないという思いもありました。そこで、今後は制作パートナーとして共に動画を作っていく体制をオファーさせていただいたんです。
今後は、動画制作という実務をご一緒しながら、VSEOについても引き続き相談に乗っていただけることを期待しています。

ー 今後の展望として、YouTubeで取り組んでいきたいことを教えてください
林氏 このチャンネルには、過去5年分、800本を超える飲食店経営者の貴重なインタビューが蓄積されています。しかし、現状ではその膨大な知見がうまく整理できていません。 今後はこの800本のノウハウに、正しい索引(VSEO対策)を付け、体系化していきたいと考えています。飲食店経営で悩んだら、ここに来れば必ず経営のヒントが見つかる――そんな飲食業界の「辞書」のようなチャンネルを目指していきたいですね。
ー その実現に向けて、LOCUSに期待していることはありますか?
林氏 これからは動画制作のパートナーとして、さらなるクオリティの追求を期待しています。
実際、分析データを取ると、単にテロップを入れただけの動画と、見せ方を工夫して情報を整理した動画とでは、明確に平均再生率に差が出ます。2021年頃とは違い、今は企業チャンネルの質が劇的に向上し、中途半端な動画は淘汰される時代だと思います。 視聴者の方の目が肥えている今だからこそ、プロの知見を借りて情報の質と映像の質を高め、淘汰されない、むしろ選ばれ続けるチャンネルを一緒に作っていきたいです。
ー 最後に、今のやり方で合っているのかと不安を抱えながら運用している担当者の方へ、メッセージをお願いします
林氏 自分たちが今、YouTubeという広い海で現在地を見失っているなら、外部の力を借りる意味があると感じています。客観的な指標がないまま手探りで進むのは、担当者として孤独なものです。まずは『健康診断』を通じて現在地を正しく知ること。それだけで迷いが消え、自信を持ってアクセルを踏めるようになるはずです。

担当コンサルタント大井からのコメント
本プロジェクトでは、初回分析ののち、実際の撮影にも同行させていただきましたが、林様の「飲食店の方々にプラスになる情報を届けたい」という強い想いと、高い熱量を持って制作に臨まれている姿が非常に印象的でした。
これから飲食店を開業される方はもちろん、すでに経営されている方にとっても、間違いなく有益な情報が得られるチャンネルだと確信しております。我々としては、今後も、皆様が思い描く理想の実現に貢献できるよう、実直に伴走してまいります。
CONTACT
動画に関することならお気軽にご相談ください。
お見積もり依頼も可能です
サービスやノウハウを知りたい方は
ぜひご一読ください
お電話でのお問い合わせはこちら
平日10:00~18:00(土・日・祝日を除く)
Copyright (c) LOCUS Inc. All Rights Reserved.