
動画制作の相場はいくら?種類別の料金目安と見積もりを安く抑えるコツ
「動画制作を依頼したいが、相場がわからず予算の立て方に困っている」「見積もりを取ってみたが、この金額が妥当なのか判断できない」企業の動画活用担当者から、このようなご相談をいただく機会は非常に多くあります。実際、動画制作の費用は数万円から数百万円以上まで幅広く、インターネット上の情報も断片的で、何を基準に判断すればよいか迷われるのは当然のことです。
本記事では、動画制作の相場を左右する要因から、動画タイプ別の費用感、そしてコストを最適化するための実践的な方法まで、企業の意思決定に必要な情報を網羅的に解説します。単なる料金表の羅列ではなく、「なぜその費用がかかるのか」「どこに投資すべきか」を深掘りしていきますので、ぜひ最後までお読みください。
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動画制作の相場を理解するために
動画制作の費用が案件によって大きく異なるのは、複数の要因が複雑に絡み合っているためです。相場を正しく理解するためには、まずこれらの要因を把握することが不可欠です。
工程ごとの費用内訳
動画制作の見積書を正しく読み解くためには、制作プロセスを「企画・構成」「撮影」「編集・MA(音声整音)」の3つの工程で捉えるのが一般的です。それぞれの工程で「誰がどのような作業を行うのか」を把握することで、予算調整のポイントが明確になります。
1. 企画構成
動画の設計図を作る、最も重要な工程です。単に構成を考えるだけでなく、マーケティング視点での戦略設計が含まれます。
- 主な内訳: プロデューサー・ディレクターの人件費、企画立案、シナリオ作成、絵コンテ制作、ロケハン(現地調査)費用など。
- 費用の目安: 全体の15〜25%程度。
この工程は動画の「成果」を左右します。十分な工数を割く制作会社ほど、ターゲットに刺さる動画を作れる傾向があります。ここを削りすぎると、後の工程で「イメージと違う」といった手戻りが発生し、結果的にコストが膨らむリスクがあるため注意が必要です。
2. 撮影
映像の「素材」を準備・収録する工程です。
- 主な内訳:カメラマン・照明・音声などの技術スタッフ費、機材レンタル費、スタジオ利用料、出演者(キャスト)へのギャラなど。
- 費用の目安: 全体の40〜50%程度。
撮影日数やスタッフ数、機材のグレードに比例して金額が変動します。「自社施設で撮影する」「社員が出演する」といった工夫で、最も大幅なコストダウンを検討しやすい工程でもあります。
3. 編集・MA費
バラバラの素材を一本の動画として仕上げ、納品可能な状態に整える工程です。近年の動画広告では、この工程での「演出」が重視される傾向にあります。
- 主な内訳: 編集オペレーター費、テロップ作成、色調補正(カラーグレーディング)、BGM・効果音(SE)のライセンス料、ナレーション収録、修正対応費用。
- 費用の目安: 全体の25〜35%程度。
映像のカットつなぎだけでなく、視聴者の理解を助けるテロップ挿入や、音声を整えるMA作業を行います。実務上の注意点として、「修正対応」が挙げられます。多くの制作会社では「2回まで無料」などの規定を設けていますが、それを超える大幅な構成変更は追加費用となるのが一般的です。見積もり時に修正の範囲と回数を確認しておくことが、予算超過を防ぐポイントです。
このように工程ごとの内訳を把握しておくことで、見積もりを受け取った際に「どこに費用が集中しているのか」が可視化され、より建設的な予算交渉が可能になります。
見積もりでよく見る料金項目の見方
実際に動画制作会社から見積もりを取ると、さまざまな料金項目が並んでいて戸惑われることも多いのではないでしょうか。ここでは、既存の定義に合わせて主要な4つの大項目(企画費・撮影費・編集費・その他)の内訳と、チェックすべきポイントを解説します。
1. 企画費
動画の土台を作るための費用です。
- 企画構成費:動画全体の方向性や構成をプランニングする費用です。ここが不十分だと、目的からズレた動画になるリスクがあります。
- シナリオ・絵コンテ作成費:動画の設計図となる台本や、具体的な画のイメージ(絵コンテ)を作成する費用です。
2. 撮影費
素材を収録するための費用です。規模によって最も変動幅が大きい項目です。
- 撮影人件費:ディレクター、カメラマン、照明、音声など、現場スタッフの費用です。
- 機材費:カメラ、レンズ、照明、ドローンなどのレンタル・使用料です。
- スタジオ・ロケ地代:撮影場所の確保費用です。
キャスト・衣装・ヘアメイク費:出演者(役者・モデル)へのギャランティや、衣装・メイク担当スタッフの費用です。社員が出演する場合はカットできる項目です。
3. 編集費
撮影した素材を一本の動画に仕上げるための費用です。音響関係もここに含まれるのが一般的です。
- 映像編集費:カット編集、テロップ挿入、色調整(グレーディング)を行う費用です。
- イラスト・アニメーション編集費:図解イラストの作成や、それに動きをつける作業費です。3DCGなど複雑な動きが入ると高額になります。
- ナレーション収録・BGM費:プロのナレーター費用、スタジオ収録費、BGMや効果音(SE)のライセンス購入費または制作費です。
4. その他
プロジェクト全体を円滑に進めるための費用です。
- 進行管理費:スケジュール管理、品質チェック、各所への連絡調整など、プロジェクト全体のマネジメントにかかる費用です。一般的に制作費全体の10〜30%程度が相場とされています。
- 諸経費:ロケ地への交通費、宿泊費、車両費、メディア代(記録媒体)などの実費です。
見積もりを比較する際は、単純な合計金額だけでなく、「進行管理費」が含まれているか(後から請求されないか)や、「修正対応」がどの工程に含まれているかを確認することが重要です。一見安く見える見積もりでも、必要な工程が削られている場合があるため注意しましょう。
動画タイプ別にみる制作費用の相場
動画制作の相場は、目的や用途によって大きく異なります。ここでは、BtoB企業でよく活用される代表的な動画タイプ別に、費用感の目安と、投資対効果を高めるためのポイントを解説します。あくまで目安であり、演出の複雑さや制作会社によって変動することをご理解ください。
会社紹介・ブランディング動画
会社紹介動画やブランディング動画は、企業の理念、事業内容、強みを伝え、ステークホルダーからの信頼を獲得することを目的とした動画です。コーポレートサイトへの掲載、展示会でのループ再生、営業資料としての活用など、多様なシーンで長期間使用されることが多いため、一定のクオリティが求められます。
費用相場としては、50万円~500万円以上と、求める演出レベルによって幅広いです。
価格帯 | 制作内容イメージ |
50万円〜100万円 | インタビュー中心(2~3名)、撮影場所支給 |
100万円〜300万円 | 会社の外観や内観をドローンなどで撮影、アニメーションなども含め、会社のことを紹介 |
300万円〜500万円超 | キャスト・美術・照明へのこだわり、有名ナレーターなどを起用 |
投資対効果を高めるポイントとしては、「5年後も使えるか」を意識した設計が挙げられます。トレンドに左右されにくい普遍的なメッセージ設計や、経年で変化しやすい情報(社員数、売上高など)を動画本編から切り離す工夫をすることで、長期的なコストパフォーマンスを高められます。
広告・プロモーション動画
広告・プロモーション動画は、新商品・サービスの認知拡大、リード獲得、コンバージョン促進などを目的とした動画です。YouTube広告、SNS広告、Web広告、テレビCMなど、配信先によって最適な尺やフォーマットが異なります。費用相場としては、50万円~500万円以上が一般的なレンジです。
価格帯 | 制作内容イメージ |
50万円〜100万円 | デザイン性の高いアニメーション動画、イラストやストーリーに動きをつけた表現 |
100万円〜300万円 | スタジオ手配、キャスト起用、ドラマ仕立ての演出、実写とCGの組み合わせ |
300万円以上 | オリジナルキャラクター制作、フル3DCG、ハイクオリティな実写撮影 |
ここでLOCUSが強調したいのは、動画制作費だけでなく、広告運用とセットで考える重要性です。どれだけ良い動画を作っても、適切なターゲティングと配信設計がなければ成果は出ません。制作費を適正にかけて成果の出る動画を作り、広告費を効率的に使うほうが、結果としてCPA(顧客獲得単価)を下げられるケースは多々あります。
マニュアル・研修用動画
マニュアル動画や研修動画は、業務手順の標準化、教育コストの削減、ナレッジの蓄積を目的とした動画です。一度作成すれば繰り返し活用でき、講師の属人化を防ぎ、教育品質の均一化に貢献します。費用相場としては、30万円~100万円程度です。
価格帯 | 制作内容イメージ |
30万円〜50万円 | シンプルな画面キャプチャ、基本的なテロップ挿入 |
50万円〜100万円 | デザイン性の高いイラスト・アニメーション、わかりやすく飽きさせない構成 |
マニュアル・研修動画は、制作本数が多くなりやすいカテゴリです。そのため、初期段階でフォーマットやテンプレートを設計し、量産体制を構築することでコストを大幅に抑えられます。また、「すべてを外注する」のではなく、フォーマット設計と初期制作は外注し、以降の量産は内製で行う「ハイブリッド運用」が有効なケースが多いです。
動画制作の費用を抑える方法
動画制作に投資する以上、限られた予算の中で最大の成果を出したいと考えるのは当然のことです。しかし、単純に「安い制作会社を探す」だけでは、期待した成果が得られず、結果として無駄なコストになってしまうリスクがあります。ここでは、品質を担保しながら費用を最適化するための、プロが実践する3つの方法を解説します。
①動画の目的と活用シーンを明確にする
動画制作のコストを最適化するための最も重要な第一歩は、「なぜこの動画を作り、どのような効果を期待するのか」を明確にすることです。
目的が曖昧なまま制作を進めると、「あれも入れたい」「これも伝えたい」と要素が膨らみ、結果として尺が長くなり、撮影カットが増え、編集が複雑化し、費用が膨らみます。それだけでなく、焦点がぼやけた動画は視聴者にも刺さらず、成果にもつながりません。
逆に、目的と活用シーンが明確であれば、「この動画は展示会ブースで流すので、音声なしでも伝わるテロップ中心の構成にしよう」「この動画は営業担当が商談で使うので、3分以内に収めよう」といった具体的な仕様が決まります。これにより、必要十分なスペックで制作でき、無駄なコストを削減できます。
また、KPI(成果指標)を事前に設定しておくことも重要です。「動画を作る」こと自体が目的化してしまうと、投資対効果の検証ができません。「この動画でWebサイトからの資料請求を月間○件増やす」「採用ページの離脱率を○%改善する」など、ビジネス成果と紐づいたKPIを設定することで、動画の費用対効果を正しく評価できるようになります。
②自社で用意or依頼するものを見極める
動画制作の費用を抑える実践的な方法として、「自社で準備できるもの」と「制作会社に依頼するもの」を切り分けることが挙げられます。制作会社に全てを丸投げするよりも、自社で対応可能な部分を担うことで、コストを削減できます。
具体的に自社で準備しやすいものとしては、以下が挙げられます。
- 素材の提供:既存の製品写真、過去の動画素材、ロゴデータ、パンフレットのテキストなど
- 出演者の手配:社員出演であれば、外部キャスティング費を削減できます
- 撮影場所の確保:自社オフィスや工場での撮影であれば、スタジオ費やロケ費を抑えられます
- 原稿・シナリオのたたき台作成:伝えたい内容を整理した資料があれば、企画構成の工数を削減できます
一方で、企画のコアとなる部分、撮影・編集などの専門技術が必要な部分は、プロに任せるべきです。コスト削減を優先するあまり、品質に影響する部分まで妥協すると、本末転倒になりかねません。
③見積もりチェックを怠らない
動画制作会社から見積もりを受け取ったら、必ず詳細をチェックし、不明点は遠慮なく質問することが重要です。見積もりの確認を怠ると、後から予期せぬ追加費用が発生したり、期待した内容と実際の成果物にギャップが生じたりするリスクがあります。
見積もりチェックのポイントは以下の通りです。
- 項目の内訳は明確か:「制作一式」のような曖昧な記載ではなく、企画費、撮影費、編集費など工程ごとの内訳が記載されているか確認しましょう。
- 含まれていないものは何か:ナレーション費、BGMライセンス料、交通費、修正対応費など、別途費用がかかる項目がないか確認しましょう。
- 修正対応の条件は明確か:修正回数の上限、追加修正の費用、修正可能な範囲(構成の大幅変更は対象外など)を確認しましょう。
- 納品形式とスケジュールは明記されているか:納品データの形式(MP4、MOVなど)、解像度、納期が明記されているか確認しましょう。
- 著作権・二次利用の範囲は明確か:完成した動画の著作権がどちらに帰属するか、どの範囲で二次利用できるかを確認しましょう。
また、複数の制作会社から見積もりを取り、比較検討することも有効です。ただし、単純な金額比較ではなく、提案内容の質、過去の実績、コミュニケーションの相性なども含めて総合的に判断することが大切です。最安値の会社が最良の選択とは限りません。
見積もりの段階で丁寧に対応してくれる制作会社は、制作中のコミュニケーションもスムーズな傾向があります。逆に、質問への回答が曖昧だったり、一方的な提案ばかりの会社は、制作過程でもトラブルが起きやすい可能性があります。
よくある質問(FAQ)
ここでは動画の制作を検討される企業様から、よくいただく質問とその回答をまとめました。
Q1. 動画制作の相場が会社ごとに違いすぎるのはなぜですか?
動画制作の費用は、「動画の目的」「企画内容」「撮影の有無」「スタッフの体制」「編集・演出のレベル」など、複数の要素によって決まります。そのため、同じ「会社紹介動画」でも、企画設計にどこまで踏み込むか、撮影日数や出演者数、CGやアニメーションを使うかどうかで、費用は大きく変わります。単純な尺や見た目だけで比較せず、どこにコストがかかっているのかを確認することが重要です。
Q2. 安い動画制作会社を選ぶと、どんなリスクがありますか?
費用が極端に安い場合、企画・構成の工数がほとんど割かれていなかったり、修正対応が限定的だったりするケースがあります。その結果、「動画は完成したが、目的を達成できない」「修正のたびに追加費用が発生する」といった事態につながることも少なくありません。重要なのは価格そのものではなく、費用に対してどこまで対応してもらえるか、成果につながる設計がされているかです。
Q3. 低予算でも成果の出る動画は作れますか?
はい、可能です。予算が限られている場合でも、動画の目的と活用シーンを明確にし、訴求ポイントを絞り込めば、十分に成果を出せる動画は制作できます。予算に合わせて最適な仕様を設計することが、費用対効果を高めるポイントです。
Q4. 見積もりを比較する際、金額以外に何を重視すべきですか?
見積もり比較では、金額だけでなく以下の点を重視しましょう。
- 企画・構成の考え方が自社の目的に合っているか
- 見積もりの内訳が明確で、追加費用の条件がわかりやすいか
- 修正対応や二次利用の条件が明示されているか
- 過去の実績やBtoB領域での経験があるか
特に、「なぜこの構成・この費用になるのか」を論理的に説明してくれるかは、信頼できる制作会社かどうかを見極める重要な判断材料になります。
Q5. まだ動画を作るか決まっていない段階でも相談してよいですか?
もちろん問題ありません。むしろ、「動画を作るべきかどうか」「作るならどんな形式が適切か」といった初期検討の段階こそ、専門家に相談する価値があります。目的によっては、動画以外の手段のほうが適しているケースもあります。動画制作を前提にするのではなく、ビジネス成果を出すための選択肢の一つとして動画を検討することが、結果的に無駄なコストを防ぐことにつながります。
【まとめ】動画の目的を明確にして費用と品質のバランスをとる
本記事では、動画活用担当者の方に向けて、動画制作の相場を理解するための基礎知識から、動画タイプ別の費用感、そしてコストを最適化するための実践的な方法まで、包括的に解説してきました。
改めてポイントを整理すると、以下の通りです。
- 相場は一律ではない:
動画の尺、撮影の有無、表現手法、クオリティ、納期など、複数の要因によって費用は大きく変動します。 - 工程ごとの内訳を理解する:
企画・撮影・編集・納品の各工程で何にコストがかかるかを把握することで、見積もりの妥当性を判断できます。 - 動画タイプ別の相場感を押さえる:
会社紹介、広告、採用、マニュアルなど、目的によって費用レンジは異なります。貴社の目的に照らして適切な投資水準を見極めましょう。 - ハイブリッド戦略で最適化:
内製と外注を二者択一で考えず、目的に応じて使い分けることで、コストと品質のバランスを取れます。 - 見積もりは詳細まで確認:
含まれる項目、含まれない項目、修正対応の条件などを事前に確認し、後からのトラブルを防ぎましょう。
動画制作は、単なるコストではなく、貴社のビジネス成果を生み出すための「投資」です。重要なのは、いかに安く作るかではなく、いかに成果につながる動画を、適正なコストで作るかです。
LOCUSでは、ただ安く作るだけではない、目的を踏まえた適切なコストでの動画制作を行います。
動画制作をご検討される際は、まずはお気軽にLOCUSにお問い合わせください。

監修者
渡邊 友浩(株式会社LOCUS 事業推進グループ チーフ)
2017年、動画制作・動画マーケティング支援を行うLOCUSに入社。営業としてBtoB/BtoC問わず累計80社以上の動画活用を支援。現在は事業推進グループとして、宣伝会議やデジタルハリウッドSTUDIOをはじめ、企業・団体向けセミナーで多数登壇。現場で培った経験をもとに、企業のYouTube活用やブランディング動画など、動画マーケティングの戦略立案と実践的な活用ノウハウを発信し続けている。




