
SaaS動画の制作・活用ガイド|商談化から解約防止まで成果につなげる方法
サービスの価値が資料やWebサイトの文章だけでは伝わらない。トライアル登録は増えたのに商談や有料転換につながらない。SaaS事業の担当者から、弊社はこうした相談を数多く受けてきました。無形のサービスを扱うSaaSにとって、動画は課題を解決しやすい手段です。
この記事では、SaaS動画の種類と役割、成果につながる作り方、配信方法、制作会社の選び方までを解説します。累計2,000社以上・20,000本以上の制作実績を持つLOCUSの実例も、ファネル段階別に6件紹介します。
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SaaS動画とは?SaaS企業で動画活用が進む理由
SaaS動画とは、SaaS企業が事業成長のために制作・活用する動画の総称です。サービス紹介やデモ、チュートリアルなど複数の種類があり、それぞれ役割が異なります。
先に結論を示します。SaaS動画の成果を分けるのは、個々の動画の出来栄え以上に配置の設計です。顧客のファネル(認知から契約、定着までの段階)のどこに、どの動画を置くかで結果が変わります。1本の動画にすべての役割を負わせず、段階ごとに目的を絞って制作しましょう。
SaaSのサービスは動画と相性が良い
SaaSの商材は無形です。管理画面のUIも、導入後の業務の変化も、静止画とテキストだけでは伝わりにくい情報です。動画なら実際の操作の動きと音声で、利用イメージを数十秒で共有できます。
活用はすでに広く進んでいます。Wyzowlの2026年調査によると、動画をマーケティングに活用する企業は91%に達しました。使うかどうかの段階はほぼ終わり、どう作り、どこに置くかで差がつく状況です。
SaaS動画の種類とファネル上の役割
SaaS動画は、ファネルの段階に対応づけると4つに整理できます。
動画タイプ | ファネル段階 | 主な目的 | 主な活用シーン |
動画広告・ | 認知獲得 | サービス名と課題認識の想起 | SNS広告、YouTube広告、タクシー・テレビCM |
サービス紹介動画・ | 理解促進 | 価値と操作イメージの理解 | Webサイト、LP、商談、展示会ブース |
導入事例動画 | 検討促進 | 導入企業の声による不安の解消 | 商談の後押し、比較検討ページ |
チュートリアル動画 | 利用定着 | オンボーディングの支援 | ヘルプページ、導入後のメール配信 |
後半の事例セクションでも、この4区分をそのまま見出しに使っています。自社でいま数値が伸び悩んでいる段階を思い浮かべながら読むと、必要な動画タイプと実例を見つけやすくなります。
チュートリアル動画やマニュアル動画の作り方については、LOCUSのマニュアル動画の制作ガイド記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
成果につながるSaaS動画の作り方
SaaS動画の制作で失敗する典型は、機能の羅列に終始することです。ここでは企画段階で押さえるべき3つの判断を解説します。
ターゲットの課題からシナリオを設計する
視聴者が知りたいのは機能の一覧ではありません。自分の業務の課題が、そのサービスでどう解決されるかです。
シナリオ設計は次の手順で進めます。まず動画を届けるファネル段階と視聴者の職種を1つに絞ってください。次にその視聴者が抱える課題を冒頭で提示し、サービス利用後の変化を中盤で見せます。機能の説明は、変化を裏付ける根拠として最小限に絞り込む。この順序を守るだけで、視聴者が自分ごととして捉えられる動画になります。
検討フェーズに合わせて尺と構成を決める
適切な尺は、ファネル段階によって変わります。Digital Appliedの2026年業界集計では、完視率が短尺動画で85%、長尺動画で38%と報告されています。
この差を前提に、認知獲得の広告やショート動画は課題提起とサービス名の想起に絞った短い尺で構成します。一方、商談で使うデモ動画や導入事例動画は視聴者がすでに関心を持っています。数分かけて丁寧に伝えても離脱しにくいため、必要な情報を落とさず届けましょう。尺は短ければよいわけではありません。その段階で視聴者がどれだけ集中して見てくれるかを見積もって決めます。
表現手法は動画タイプに合わせて選ぶ
SaaS動画でよく使われるのは実写とアニメーションです。実写は導入事例動画のように、人の表情や語りで信頼感を伝えたい場面に向いています。アニメーションはサービスの仕組みなど、目に見えない情報を図解の延長として動かせます。無形の価値を伝えやすいため、サービス紹介動画でよく選ばれる手法です。
SaaSならではの選択肢として、管理画面のUIをそのまま映す画面キャプチャもよく使われます。デモ動画やチュートリアル動画のように、実際の操作手順を見せたい場合に適しています。1本の動画でこれらを組み合わせることも珍しくありません。
SaaS動画の配信方法と効果測定
SaaS動画は作って終わりにせず、配置と計測までを一体で設計します。同じ動画でも、置き場所によって成果は大きく変わります。
自社サイト・LPへの埋め込みでCVRを高める
最初に取り組むべき配信面は自社サイトとLPです。Digital Appliedの業界集計では、LPへの動画埋め込みでCVRが最大86%向上したというデータが報告されています。
配置にはセオリーがあります。ファーストビュー直下にサービス紹介動画を置き、視聴直後の位置に資料請求やトライアル登録のCTAを配置します。動画で理解と関心が高まった直後に、次の行動へ進める場所を用意しておくためです。料金ページや比較検討ページには、導入事例動画が適しています。
SNS・YouTubeはチャネル特性に合わせて配信する
チャネルごとに視聴者の状態が異なるため、同じ動画の使い回しでは成果が出にくくなります。
チャネル | 視聴者の状態 | 推奨フォーマット | 役割 |
YouTube | 能動的な情報収集 | サービス紹介、チュートリアル | 理解促進、利用定着 |
X | 受動的な回遊 | ショート動画、広告 | 認知獲得 |
Instagram・TikTok | 受動的な回遊 | 縦型ショート動画 | 認知獲得 |
ビジネスSNS | 業務文脈での閲覧 | サービス紹介、導入事例 | ビジネス層への認知、リード獲得 |
展示会・商談 | 対面での比較検討 | デモ動画 | 検討促進 |
YouTubeはチュートリアル動画の置き場としても機能します。ヘルプページから動画に誘導すれば、サポート問い合わせの削減にもつながります。
効果測定で改善サイクルを回す
計測すべき指標は再生数だけではありません。認知獲得を狙う動画なら表示回数と視聴単価、理解や検討を促す動画なら視聴維持率と視聴後のCVRを見ます。
特に視聴維持率は改善の手がかりが得やすい指標です。離脱が集中する秒数が分かれば、冒頭の構成や尺を見直す判断につながります。四半期ごとに数値を確認し、成果の高い動画タイプへ予算を寄せていきましょう。
LOCUSのSaaS動画制作事例【ファネル別】
ここからは、LOCUSが制作したSaaS・IT領域の動画を、前述の4つのファネル区分に沿って6件紹介します。自社の課題に近い段階の事例から、企画の参考にしてください。
認知獲得:株式会社フォーカスシステムズ様「Beyond The Book」プロモーション動画
動画の種類 | 動画広告 |
表現手法 | 実写 |
主な活用シーン | Web広告、サービス認知獲得 |
動画の概要・制作のポイント:サービスの世界観を実写映像で描き、短時間でサービス名と提供価値を印象づける構成です。認知段階の視聴者に向けて、機能の説明よりも共感の獲得を優先しています。
成果・活用の特徴:広告配信を前提に、視聴環境を選ばない映像設計としています。
▶︎制作実績の詳細はこちら
理解促進:株式会社インフォマート様「BtoBプラットフォーム」サービスプロモーション動画
動画の種類 | サービス紹介動画 |
表現手法 | アニメーション |
主な活用シーン | Webサイト、営業活動 |
動画の概要・制作のポイント:企業間の取引業務を支えるクラウドサービスの仕組みを、アニメーションで図解的に表現しています。無形のサービスの全体像を、短時間で理解できる構成です。
成果・活用の特徴:Webサイトでの理解促進に加え、営業の場での説明資料としても活用しやすい内容になっています。
理解促進:富士ソフト株式会社様「FAMoffice」プロモーション動画
動画の種類 | サービス紹介動画 |
表現手法 | 実写 |
主な活用シーン | Webサイト、サービス検討層への訴求 |
動画の概要・制作のポイント:仮想オフィスサービスの利用シーンを実写で描き、導入後の働き方の変化を具体的にイメージできる構成です。利用者視点のカットを重ね、検討層の疑問に先回りして答えています。
成果・活用の特徴:サービスの利用イメージが湧きにくいという無形商材の課題に対し、実写ならではの臨場感で応えた事例です。
理解促進:インフォコム株式会社様「V-FAST」サービスプロモーション動画
動画の種類 | サービス紹介動画・デモ用途 |
表現手法 | アニメーション |
主な活用シーン | 商談、展示会 |
動画の概要・制作のポイント:サービスの提供価値と利用の流れをアニメーションで整理し、対面の場で再生しやすい構成にまとめています。音声が聞き取りにくい展示会場でも伝わるよう、視覚情報だけで理解できる画面設計です。
成果・活用の特徴:商談や展示会での説明を補助し、担当者による説明のばらつきを抑える用途に向いています。
検討促進:株式会社HRBrain様 お客様導入事例インタビュー動画
動画の種類 | 導入事例動画 |
表現手法 | 実写 |
主な活用シーン | 商談の後押し、比較検討ページ |
動画の概要・制作のポイント:SaaSを提供する企業が、自社サービスの導入企業の声を動画化した事例です。導入担当者へのインタビューを軸に、導入の経緯と業務の変化を利用者の言葉で語ってもらう構成にしています。
成果・活用の特徴:検討中の企業が抱える不安に、第三者の実体験で応える動画です。商談の最終段階や比較検討ページで、導入の後押しとして機能します。
利用定着:株式会社大塚商会様「adobe sign」マニュアル動画
動画の種類 | チュートリアル動画 |
表現手法 | アニメーション |
主な活用シーン | 導入後のオンボーディング支援 |
動画の概要・制作のポイント:電子サインサービスの操作手順を、アニメーションで段階的に解説しています。テキストマニュアルでは追いにくい操作の流れを、画面の動きに沿って理解できる構成です。
成果・活用の特徴:導入後のつまずきを減らし、利用定着と解約防止につなげる動画です。サポート部門への問い合わせ削減にも寄与する活用方法です。
SaaS動画を外注する際の制作会社の選び方
SaaS動画の制作を外部に依頼する場合、実績本数や価格だけで選ぶと失敗しやすくなります。SaaS特有の事情を踏まえた3つの確認ポイントを紹介します。
無形商材を視覚化・言語化できるか
SaaSの動画制作では、目に見えないサービスの価値を映像に翻訳する力が問われます。過去の制作実績を確認する際は、本数よりも無形商材の事例の中身を見てください。仕組みをどう図解し、導入前後の変化をどう見せているか。この2点を確認すれば、無形の商材を扱い慣れた会社か見分けられます。
ファネル全体を見据えた提案ができるか
依頼した1本だけを作る会社と、その動画がファネルのどこを担うかまで踏み込む会社では、成果が変わります。初回の打ち合わせで、動画の目的や前後の顧客体験について質問が出るかどうかは、提案力を見極める分かりやすいサインです。
UI変更・機能アップデートに対応できる体制か
SaaSは機能追加やUI変更が頻繁に発生します。デモ動画やチュートリアル動画は、画面が変わるたびに古くなるため、部分修正のしやすさが運用コストを左右します。
確認ポイント | 確認する内容 |
修正対応の範囲 | 部分差し替えに対応できるか、再制作扱いになるか |
データの管理 | 編集データを保管し、継続的な更新に使えるか |
制作の分業設計 | 更新頻度の高いカットを差し替えやすい構成で作れるか |
長期的な運用を見据えるなら、この3点は契約前に確認しておいてください。
SaaS動画に関するよくある質問
Q. SaaS動画の制作期間はどのくらいかかりますか。
内容によって幅がありますが、企画から納品まで1.5〜3か月程度を見込むのが一般的です。アニメーションは作画工程が加わるため、実写より長めになる傾向があります。展示会など期日が決まっている場合は、早めの相談をおすすめします。
Q. 最初にどの動画から作るべきですか。
自社のファネルで最も数値が落ちている段階から着手してください。リード獲得が課題なら認知獲得の動画、商談化率が課題ならサービス紹介動画やデモ動画が候補です。解約率が課題ならチュートリアル動画から検討しましょう。
Q. サービスのUIが変わったら動画は作り直しですか。
構成次第で部分修正で済みます。UIが映るカットとそれ以外を分けて制作しておけば、変更箇所の差し替えだけで更新できます。制作前に、更新を前提とした設計を制作会社へ依頼しておきましょう。
まとめ
SaaS動画で成果を出す要点を整理します。
- SaaS動画は認知獲得から利用定着まで、ファネル段階ごとに4つのタイプを使い分ける
- シナリオは機能の羅列を避け、ターゲットの課題起点で設計する
- 尺と表現手法はファネル段階と伝える内容で決める
- 配信は自社サイト・LPを起点に、チャネル特性へ合わせて展開する
- 外注先は無形商材の実績と、アップデートへの対応体制で選ぶ
LOCUSは累計2,000社以上・20,000本以上の制作実績があります。SaaS・IT領域でも、認知獲得から解約防止まで幅広い動画を手がけてきました。SaaS動画の制作をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。
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「LOCUS 会社概要」資料ダウンロード
株式会社LOCUSの動画制作・動画活用コンサルティング、YouTubeチャンネルコンサルティング、シニアードなど、会社や事業全般に関して説明をしている資料です。
<こんな方にオススメです>
・これから動画制作・広告配信を依頼しようと考えている
・動画活用について課題を持っている
・LOCUSの強みや特徴を知りたい
・動画制作実績を知りたい

監修者
渡邊 友浩(株式会社LOCUS 事業推進グループ チーフ)
2017年、動画制作・動画マーケティング支援を行うLOCUSに入社。営業としてBtoB/BtoC問わず累計80社以上の動画活用を支援。現在は事業推進グループとして、宣伝会議やデジタルハリウッドSTUDIOをはじめ、企業・団体向けセミナーで多数登壇。現場で培った経験をもとに、企業のYouTube活用やブランディング動画など、動画マーケティングの戦略立案と実践的な活用ノウハウを発信し続けている。




