
PR動画とは?作り方の手順と企業の制作事例・外注先の選び方を解説
「自社や商品の魅力をPR動画で発信したいが、何から手をつければいいか分からない」。広報やマーケティングを担う方から、こうした声をよく聞きます。動画は、テキストや静止画では伝わりにくい価値を、短時間で直感的に届けられる手段として業種を問わず活用が広がっています。
ただ、動画を作れば成果が出るわけではありません。目的の設定から企画、表現手法の選定、公開後の効果測定まで、一連の流れを設計してはじめて成果につながります。この記事では、PR動画の作り方を企画から公開まで手順で解説します。あわせて企業の制作事例、費用の考え方、外注先の選び方までをまとめました。初めて動画制作を検討する担当者が、自社に合う進め方を判断できる形にしています。弊社LOCUSが累計2,000社以上・20,000本超の動画を制作してきた知見がもとになっています。
この記事でわかること
- PR動画と広告動画の違い、企業で使われる主な種類
- 企画から公開まで、PR動画の作り方を5つの手順で解説
- 予算や活用場所まで分かる企業の制作事例3選
- 外注先の制作会社を選ぶときの判断基準
目次[非表示]
PR動画とは?広告動画との違いと主な種類
PR動画とは、企業や商品、活動の価値を社外に向けてアピールする動画の総称です。ここでいうPRは、広く知ってもらう、良い印象を持ってもらうという意味合いで使われます。即時的な販売促進よりも、認知の拡大や理解の促進に軸足を置く点に特徴があります。
まず広告動画との違いを整理し、続いて企業で使われる主な種類、注目される背景を見ていきます。
PR動画と広告動画の違い
PR動画と広告動画は混同されがちですが、分類の軸が異なります。PR動画は伝える内容による分類で、企業や商品の価値を知ってもらう内容の動画を指します。一方、広告動画は届け方による分類で、有料の広告枠に出稿して配信する動画を指します。軸が違うため両者は重なることもあり、PR動画を広告枠で配信するケースも珍しくありません。そのうえで、典型的な傾向の違いを整理すると次のようになります。
項目 | PR動画 | 広告動画 |
主な目的 | 認知拡大・理解促進 | 商品・サービスの訴求と行動喚起 |
時間軸 | 中長期 | 短期 |
訴求内容 | 理念・世界観・活動 | 商品特徴・価格・特典 |
主な届け方 | 自社サイト・SNS・展示会など自社発信が中心 | 有料の広告枠への出稿 |
ただし実務では、両者を厳密に線引きするより「この動画を見た人に次に何をしてほしいか」を起点に考えるほうが、目的を整理しやすくなります。すぐに問い合わせや購入を促したいなら広告寄りに、まず知ってもらい好印象を持ってほしいならPR寄りに設計する、という判断で十分です。問い合わせや購入といったアクションに直結させる動画については、LOCUSのプロモーション動画とは?目的・種類・活用シーン・制作方法をわかりやすく解説で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
PR動画の主な種類
PR動画は一つの型に収まりません。誰に何を伝えたいかによって、対応する動画の形が変わります。企業でよく使われるのは次の4種類です。
種類 | 主な目的 | 主な対象 |
企業PR動画 | 企業全体の認知・イメージ向上 | 取引先・求職者・生活者 |
商品PR動画 | 商品・サービスの魅力訴求 | 見込み顧客 |
採用PR動画 | 職場の魅力を伝え応募を促す | 求職者 |
自治体・地域PR動画 | 地域の認知・観光や移住の促進 | 地域外の生活者 |
種類ごとに設計の勘所は変わります。企業や商品の価値をストーリーで伝え、感情的なつながりを築くことに主眼を置く場合は、LOCUSのブランディング動画とは?作り方のコツ・費用相場・制作事例を解説で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。社内広報や採用広報など、広報部門の課題別に活用を整理したい場合は広報動画とは?目的別の作り方と活用事例・制作会社の選び方を解説が参考になります。
PR動画が注目される背景
PR動画への注目が高まっている背景には、スマートフォンの普及によるSNS動画視聴の日常化があります。文字を読むより動画を見るほうが短時間で多くの情報を得られるため、企業発信の手段として動画の優位性が増しています。
実際の企業活用も広がっています。Wyzowlの調査では、動画をマーケティングに活用する企業は91%に達しました(出典:Wyzowl「State of Video Marketing 2026」)。消費者側でも、商品やサービスを知るために説明動画を見た経験がある人は98%にのぼります(出典:Wyzowl「State of Video Marketing 2025」)。動画は購買前の情報収集の標準手段になりつつあります。
配信面の変化も見逃せません。TikTokやInstagramリール、YouTubeショートなど縦型ショート動画が広がり、PR動画も従来の長尺型から短尺型まで多様化しました。冒頭数秒で惹きつける設計が求められ、配信先に応じた最適化が成果を左右します。
PR動画の作り方|企画から公開までの手順
PR動画は作って終わりではなく、視聴者の心を動かし、ビジネス成果につなげるための設計が欠かせません。ここでは企画から公開までを5つの手順に分けて解説します。全体像は次のとおりです。

手順1:目的とターゲットを一文で言語化する
PR動画制作で最もよくある失敗が、目的とターゲットの曖昧さです。とりあえず動画を作りたいという発想で進めると、誰にも刺さらない総花的な内容になり、投資に見合う効果が得られません。
まずは、誰に、何を、どう感じてほしいのかを一文で言語化することから始めます。たとえば「30代の若手エンジニアに、自社の技術文化を伝え、応募意欲を高めてもらう」といった具体性が、後の構成や表現の判断軸になります。
手順2:伝えるメッセージとゴール(KPI)を決める
目的が決まったら、動画で伝える中心メッセージを一つに絞ります。盛り込みたい要素は増えがちですが、一本の動画で全てを伝えようとすると印象が薄まります。最も届けたいメッセージを決め、それを補強する情報だけを残します。
あわせて、公開後に何を成果とみなすかも先に決めておきます。再生回数なのか、サイトへの遷移なのか、問い合わせ数なのか。ゴールを数値で置いておくと、公開後の改善判断がぶれません。
手順3:構成を設計し、印象に残る演出(面白い・かっこいい)を組み込む
視聴者の感情を動かす動画には、優れた構成があります。情報を並べるのではなく、課題提示から共感、解決、そして未来像へと流れをつくることで、視聴者は自分事として受け止めやすくなります。
このとき、冒頭数秒で惹きつけるフックが要になります。SNS環境では数秒で離脱されるため、冒頭で問いを投げかける、意外性のある映像を見せるなどの工夫が求められます。面白い、かっこいいと感じてもらえる演出は、単なる装飾ではありません。視聴を最後まで続けてもらい、記憶に残すための設計です。たとえば後述の金融庁の事例では、堅くなりがちな制度説明にコミカルな掛け合いを取り入れ、最後まで見てもらえる動画に仕上げています。演出のトーンは、伝えたい印象と対象に合わせて選びます。
手順4:表現手法を選ぶ(実写・アニメーション・CG)
PR動画の表現手法には実写、アニメーション、CGなど複数の選択肢があります。それぞれ得意な領域が異なるため、目的とターゲットに合わせて選びます。
表現手法 | 得意領域 | 向いている用途 |
実写 | リアリティ・人間味の伝達 | 採用動画・社員インタビュー |
アニメーション | 抽象概念の可視化 | サービス紹介・理念説明 |
CG・モーショングラフィックス | 先進性・データ表現 | 技術紹介・IR動画 |
実写とアニメの併用 | 多面的な訴求 | 企業や商品のPR動画 |
実写は人の表情や空気感を伝えるのに向き、アニメーションは目に見えない仕組みを分かりやすく見せるのに向きます。両者を組み合わせると、共感と分かりやすさを一本の動画で両立できます。形のないサービスの価値を動画で伝えたい場合は、LOCUSのサービス紹介動画とは?メリット・種類・構成のポイントから事例まで徹底解説で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
手順5:撮影・編集を行い、公開して効果を測定する
構成と表現が固まったら、撮影と編集に進みます。ここで意識したいのが、一本の動画を複数の配信先に展開することです。メイン動画からSNS用の短尺版、展示会用のループ版などを派生させると、制作コストあたりの接触機会を増やせます。
公開後は、手順2で決めたゴールに沿って成果を測ります。再生数や視聴維持率、サイト遷移などを確認し、必要に応じて編集や派生動画の制作で改善します。動画は公開してからが本番です。
なお、BGMや素材には著作権があります。制作会社に依頼する場合は権利処理まで任せられるのが一般的ですが、自社で用意した音源や素材を使う際は、商用利用が可能かを事前に確認してください。
企業のPR動画制作事例
ここからは、LOCUSが手掛けたPR動画の事例を3つ紹介します。前述の種類に対応する形で、企業・団体のPR、商品・サービスのPR、採用のPRから1つずつ選びました。いずれも自社サイトやYouTubeチャンネル、展示会といった自社発信を中心に活用されている事例です。予算目安や活用場所も記載しているので、自社の検討材料にしていただけます。
事例1:日本赤十字社様(企業・団体PR/実写)
業種・業界 | 官公庁・団体 |
動画の用途 | ブランディング動画 |
制作スタイル | 実写 |
予算目安 | 要問い合わせ |
制作期間 | 要問い合わせ |
活用場所 | Webサイト・YouTubeチャンネル |
動画の概要・制作のポイント
日本赤十字社の活動への理解と共感を広げるブランディング動画「救われる人生を救う人生に」です。遺産の残し方を考える方に向け、父と息子のストーリーを通じて感情移入を促す構成にしました。データや説明の羅列ではなく、人生の物語として団体の活動価値を描くことで、視聴者が自分の人生と重ねて考えられる動画に仕上げています。
成果・活用の特徴
WebサイトとYouTubeチャンネルでの自社発信を通じて、遺贈という馴染みの薄いテーマへの心理的な距離を縮めています。ストーリーへの感情移入を入口に団体の活動意義を伝える設計は、寄付や支援の検討といった行動の手前にある、共感の醸成というPR動画本来の役割を果たしています。
事例2:金融庁様(商品・サービスPR/アニメーション)
業種・業界 | 官公庁・団体 |
動画の用途 | 商品・サービス紹介動画 |
制作スタイル | アニメーション |
予算目安 | 300万円~ |
制作期間 | 3ヶ月~ |
活用場所 | Webサイト |
動画の概要・制作のポイント
資産形成のすそ野を広げる「つみたてNISA」の普及を目的とした動画です。投資という敬遠されがちなテーマを自分事として捉えてもらうため、キャラクター同士のコミカルな掛け合いによるストーリー形式を採用しました。公的機関ならではの情報の正確性を保ちつつ、役所の説明動画は難しく退屈という先入観を払拭。テンポの良い会話劇で、最後まで見てもらえる構成にこだわりました。
成果・活用の特徴
WebサイトやYouTubeで、離脱を抑えながら幅広い層へ制度の認知を広げることに成功しています。ストーリーを通じて制度の仕組みを疑似体験させることで、視聴者の心理的なハードルを下げ、口座開設の検討という行動への動線をつくりました。堅いイメージを崩すクリエイティブはSNSでの話題も生みやすく、これまで投資に関心の薄かった層へのアプローチを可能にしています。
事例3:カルビー株式会社様(採用PR/実写)
業種・業界 | メーカー・製造業 |
動画の用途 | 採用動画 |
制作スタイル | 実写 |
予算目安 | 100万円~ |
制作期間 | 1ヶ月~ |
活用場所 | Webサイト・展示会・セミナー |
動画の概要・制作のポイント
新卒採用に向けた社員インタビュー動画です。働く社員の生の声を通じて、仕事のやりがいや職場の雰囲気といった、文字情報では伝わりにくい魅力を求職者に届けています。制作面では、インタビュー撮影と同じ日にイメージカットも撮影する進行を組み、撮影を1日に収めました。品質を保ちながら制作の負担と費用を抑える工夫です。
成果・活用の特徴
採用サイトや説明会、セミナーでの活用を通じて、応募前の求職者に働くイメージを具体的に持ってもらう役割を果たしています。社員が自分の言葉で語るインタビュー形式は、会社案内の文章より信頼されやすく、入社後のミスマッチを減らす効果も期待できます。撮影を1日に集約した進行は、採用担当者や出演社員の負担を抑え、繁忙期でも取り組みやすい制作方法といえます。
PR動画を外注する際の制作会社の選び方
PR動画は企業の顔となるコンテンツであるため、戦略設計から表現までを担える専門の制作会社へ依頼するのが一般的です。ここでは、外注で失敗しないための判断基準を3つ解説します。
自社の魅力を言語化し、最適な表現を逆提案できるか
優れた制作会社は、依頼内容をそのまま形にするだけではありません。ヒアリングを通じて自社でも気づいていない強みを引き出し、それを効果的に伝える表現を逆提案してくれます。
初回の打ち合わせで、なぜこの表現が最適かを論理的に説明できるか、複数の選択肢を示してくれるかを確認してください。言われたものを作るだけの会社ではなく、戦略から一緒に考えるパートナーを選ぶことが成功の鍵になります。
配信・運用・効果測定まで設計できるか
PR動画は制作して終わりではなく、配信と運用を通じて成果が生まれます。制作だけでなく、配信先の最適化、効果測定、改善までを一貫して設計できる会社を選びましょう。
たとえばSNS広告なら縦型・短尺、展示会なら横型・ループ前提など、配信シーンに応じた仕様設計が必要です。こうした出口戦略を初期段階から描けるかどうかが、判断の分かれ目になります。
近い業種・目的の実績と、公開後まで伴走する体制があるか
実績の確認は基本ですが、本数の多さより、自社と近い業種や目的の実績があるか、ターゲットに響く表現を実現できているかを重視します。可能であれば、視聴回数やリード獲得数といった成果指標も確認したいところです。
あわせて、公開後にKPIを見ながら改善や派生動画の制作まで並走してくれる体制があるかも大切です。運用とビジネス成果まで見据える視点を共有できる会社を選んでください。
LOCUSは、2010年の創業以来、累計2,000社以上・20,000本超の動画制作を支援してきました。PR動画でも、戦略設計から表現開発、公開後の効果測定までを一貫してサポートしています。自社の魅力を引き出すPR動画をお考えの方は、お気軽にご相談ください。
PR動画に関するよくある質問
Q. PR動画の費用はどのくらいかかりますか?
内容や表現手法によって幅があります。本記事の事例では、実写の採用インタビュー動画で100万円〜、アニメーションによるサービス紹介動画で300万円〜が目安です。費用は関わるスタッフの人数と作業時間で決まるため、撮影規模やアニメーションの複雑さが上がると費用も上がります。動画制作の費用構造については、LOCUSの動画制作の費用・見積もりの考え方|料金の変動要素を徹底解説で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
Q. PR動画の最適な尺(長さ)はどのくらいですか?
配信先によって変わります。SNSのフィードなら15〜30秒程度で冒頭のフックが重要になり、Webサイトの説明用なら1〜2分でじっくり伝える設計が向きます。展示会でループ再生するなら、途中から見ても内容が分かる構成が適しています。一本の動画を配信先ごとに編集し分けるのが効果的です。
Q. 制作期間はどのくらい必要ですか?
内容によりますが、本記事の事例では1〜3ヶ月が目安です。撮影を1日に集約したインタビュー動画なら1ヶ月程度から、アニメーションで丁寧に作り込む場合は3ヶ月以上を見込みます。企画と構成に時間をかけるほど、後の撮影や編集での手戻りが減ります。公開希望日から逆算し、余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。
Q. BGMや映像素材の著作権はどうなりますか?
制作会社に依頼する場合、権利処理まで含めて対応するのが一般的です。自社で用意した音源や素材を使う際は、商用利用が許可されているかを事前に確認してください。無断使用はトラブルの原因になるため、権利の範囲を制作会社と共有しておくと安心です。
まとめ
PR動画は、企業や商品、活動の価値を社外に伝え、認知の拡大や理解の促進につなげる手段です。広告動画のように今すぐ売ることではなく、知ってもらい好印象を持ってもらうことに軸足があるため、構成の設計と表現手法の選定が成果を左右します。
- PR動画は認知拡大・理解促進を目的とし、広告動画とは狙う成果が異なる
- 作り方は、目的の言語化から公開後の効果測定まで5つの手順で進める
- 表現手法は実写・アニメ・CGなどを目的とターゲットに合わせて選ぶ
- 外注時は、戦略設計から効果測定まで並走できる会社を選ぶ
自社だけで判断が難しい場合は、企画から運用まで一貫して相談できる動画制作会社に依頼するのも有効です。LOCUSでは、PR動画の目的整理から公開後の改善までをサポートしています。動画制作をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。
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監修者
渡邊 友浩(株式会社LOCUS 事業推進グループ チーフ)
2017年、動画制作・動画マーケティング支援を行うLOCUSに入社。営業としてBtoB/BtoC問わず累計80社以上の動画活用を支援。現在は事業推進グループとして、宣伝会議やデジタルハリウッドSTUDIOをはじめ、企業・団体向けセミナーで多数登壇。現場で培った経験をもとに、企業のYouTube活用やブランディング動画など、動画マーケティングの戦略立案と実践的な活用ノウハウを発信し続けている。




