
プロモーション動画とは?目的・種類・活用シーン・制作方法をわかりやすく解説
近年、インターネットやSNSの普及により、プロモーション動画はマーケティングにおいて欠かせない手法の一つとなっています。
一方で、いざ動画を活用しようとすると、 「何を作ればいいのか分からない」「制作したものの成果につながらない」といった課題を感じている企業も少なくありません。その原因の多くは、動画のクオリティではなく、設計の段階にあります。
プロモーション動画は、 「何を伝えるか(対象)」「何を達成するか(目的)」「どこで使うか(活用シーン)」によって、設計が大きく変わります。
本記事では、プロモーション動画の定義や目的といった基礎から、対象別の活用パターン、成功させるためのポイント、制作方法までを体系的に解説します。
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プロモーション動画とは?
「プロモーション動画を作りたい」と社内で話が出た瞬間、関係者の頭の中にあるイメージはバラバラです。
Web担当はサイトに載せる動画、営業は商談で使う説明動画、経営層は会社の雰囲気が伝わる動画——同じ動画という言葉を使いながら、誰も同じものを思い描いていないことは珍しくありません。
この認識のズレを放置したまま制作に進むと、完成後に思っていたものと違うということが起きます。だからこそ最初に、プロモーション動画が何を指すのかを整理しておくことが重要です。
PR動画との違い
よく混同されるのが「PR動画」との違いです。厳密な定義より、目的と使われ方で整理するのが実用的です。
プロモーション動画 | PR動画 | |
主な目的 | 購入・問い合わせなど行動を促す | ブランドイメージの向上・信頼醸成 |
時間軸 | 短期~中期 | 中期〜長期 |
主な用途 | Web広告・LP・キャンペーン | 周年イベント・採用・自治体広報 |
実際の現場では、この2つを明確に区別せずに設計するケースがほとんどです。どちらに分類するかより「この動画を見た人に次に何をしてほしいか」を起点に考える方が、目的がシンプルに整理できます。問い合わせや購入など具体的なアクションを期待しているならプロモーション動画寄りに、まずブランドへの共感を育てたいならPR動画寄りに設計する、という判断で十分です。
何のために作る?プロモーション動画の3つの目的
プロモーション動画を制作する前に、まず「何のために作るのか」を明確にしておくことが重要です。プロモーション動画の目的は、大きく分けると以下の3つに整理できます。
①認知拡大
プロモーション動画には、商品・サービスの認知を広げる効果があります。多くの情報があふれる中で、ユーザーはすべての情報を丁寧に読むわけではなく、短時間で判断しています。
その中で動画は、視覚と聴覚の両方に訴求できるため、テキストや画像に比べて情報が流されにくく、印象に残りやすいという特徴があります。
プロモーション動画で「何のサービスなのか」「どんな価値があるのか」が直感的に伝われば、興味関心を喚起し、認知の獲得につながります。
その結果、指名検索や比較検討のきっかけを生み出すことができます。
②販売促進・行動喚起
「興味はある、でもまだ決めていない」という人を動かすことが目的の動画です。プロモーション動画を見るユーザーは、すでにある程度の興味や関心を持っている状態にあります。
一方で、その段階では、本当に必要か、他と比べてどうか、といった判断ができず、検討が止まってしまうことも多いです。
動画を活用することで、商品・サービスの特徴や利用シーンを具体的に伝えることができ、理解を一気に深めることができます。
その結果、欲しいという気持ちを後押しし、比較検討をスムーズに進めることが可能になります。
③ブランディング
商品やサービスがあふれる中で、機能や価格だけで差別化することが難しくなっています。
そのため、「どの企業なのか」「どんな価値観を持っているのか」といった要素が、選ばれる理由として重要になっています。
動画は、テキストでは伝えきれない雰囲気やストーリー、思想を表現できるため、ブランドの世界観を伝える手段として有効です。
企業の姿勢や背景まで含めて伝えることで、共感や信頼が生まれ、「このブランドだから選びたい」という状態をつくることができます。
その結果、中長期的なファンの獲得にもつながります。
ただし、同じ「認知拡大」を目的にした動画でも、サービスを訴求するのか、企業そのものを訴求するのかによって、設計はまったく異なります。
プロモーション動画は何をどう伝える?対象・目的別の活用パターン
目的が整理できたら、次に何を対象にした動画なのかを明確にしておくことが重要です。対象によって伝えるべき内容や活用シーンが変わるため、目的と合わせて設計しておくと動画の方向性がブレにくくなります。プロモーション動画は、何を対象にするかによって、伝えるべき内容も活用シーンも大きく異なります。ここでは、サービス・製品・企業・観光地/自治体の4つに分けて、それぞれの目的と主な活用パターンを整理します。
サービス
サービスは無形であるため、魅力や価値が伝わりづらいという特徴があります。
そのためプロモーション動画では、内容の理解促進や利用イメージの喚起が主な目的となります。
具体的には、以下のようなシーンで活用されます。
- Webサイト・LPでサービス内容を分かりやすく伝える
- 商談前に視聴してもらい、説明コストを削減する
- SNS広告で興味喚起し、詳細ページへ誘導する
製品・商品
商品のプロモーション動画では、機能や特徴を短時間で伝え、購買意欲を高めることが目的になります。特に、テキストや静止画では伝わりにくい使用感や質感を補完できる点が強みです。
主な活用シーンとしては、以下です。
- ECサイトやLPで商品の魅力を直感的に伝える
- SNS広告で目を引き、クリックを促す
- 比較検討フェーズで他社との差別化を図る
企業
企業そのものをプロモーションする場合、信頼感の醸成やブランドイメージの向上が目的となります。商品単体ではなく、「この会社なら安心できそう」と思ってもらうためのアプローチです。
具体的には、以下のようなシーンで活用されます。
- 採用活動で企業の雰囲気や価値観を伝える
- 展示会やイベントで第一印象を高める
- ブランディング広告として認知を拡大する
観光地・自治体
自治体や観光地のプロモーション動画では、地域の魅力や世界観を伝え、「行ってみたい」という感情を喚起することが主な目的となります。
商品やサービスとは異なり、体験そのものが価値となるため、単なる情報伝達ではなく、映像を通じて空気感やストーリーを感じてもらうことが重要です。
具体的には、以下のようなシーンで活用されます。
- SNSや動画広告で認知を拡大し、興味を喚起する
- 観光サイトで訪問前の期待感を高める
- インバウンド向けに地域の魅力を直感的に伝える
プロモーション動画の制作事例【3選】
ここでは目的別に事例をご紹介します。
小野測器: 製品紹介動画
電子計測器や試験機を提供する小野測器様のポータブル振動計「VW-3100」は、現場の計測の効率化をサポートする製品です。当製品の価値を訴求するために、LOCUSでは製品紹介動画を制作しました。
実写に加えて、内部の振動検出や測定イメージをアニメーションや画像キャプチャで可視化するなど、Web・展示会どちらでもひと目で伝わる構成しています。
パイオニア: サービス紹介動画
パイオニア様の「COCCHi」は、カーナビの高精度な地図データやルーティング技術をスマホで利用できるカーナビアプリです。LOCUSでは、展示会での使用を想定したサービス紹介動画を制作しました。
動画では、文字の出し方は広告っぽく、ナレーションは説明口調すぎず、テンポ良く進んでいくなど、展示会で目を引くように工夫をしています。また、実際のアプリの画面や音声を入れることで、使用イメージが沸くようにしています。
蝶理: 会社紹介動画
蝶理様は、繊維・化学品・機械を中核とする専門商社です。展示会や商談、Webサイトでの使用を想定した会社紹介動画を制作しました。生活者と蝶理様の仕事の関連性が伝わるように、デザインとしてアイソメトリックを活用し、細かい部分まで表現した動画となっています。
事例を通じて活用イメージが掴めたところで、次は実際に成果につなげるための設計ポイントを整理します。どれだけ活用シーンが明確でも、ターゲットや訴求がズレていれば成果にはつながりません。
プロモーション動画を成功させるための3つのポイント
プロモーション動画は、制作のクオリティより設計の段階で成果が決まります。どれだけ映像が美しくても、ターゲットや訴求がズレていれば成果にはつながりません。ここでは制作に入る前に押さえておくべきポイントを3つ整理します。
伝える相手と内容を一つに絞る
プロモーション動画を制作するうえで最も重要なのが、「誰に」「何を伝えるのか」を明確にすることです。
ターゲットが曖昧なまま進めてしまうと、訴求がぼやけてしまい、誰にも刺さらない動画になってしまいます。また、伝えたい情報を詰め込みすぎると、結局何も印象に残らないケースも少なくありません。
そのため、ターゲットを具体的に設定し、その人にとって最も価値のある訴求ポイントを1つに絞ることが重要です。広く伝えるのではなく深く刺す設計が、成果を左右します。
競合との違いを先に見つける
効果的なプロモーション動画を制作するためには、競合がどのような訴求を行っているのかを把握しておくことが重要です。動画は第一印象で判断されるため、構成やメッセージが似通っていると埋もれやすくなります。事前に以下の観点で整理しておくと、自社ならではの訴求を設計しやすくなります。
- 競合はどんなメッセージを打ち出しているか
- どのような構成・演出が多いか
- 自社ならどこで違いを出せるか
調査の目的は、競合と同じことをしないためではなく、競合が言っていないことの中から、自社が言えることを見つけるためです。競合が機能訴求に偏っているなら感情訴求で差をつける、価格訴求が多いなら世界観で勝負するなど、調査結果を自社の訴求設計に直接反映させることが重要です。
数字で成果を追う仕組みを作る
プロモーション動画は制作して終わりではなく、成果を計測し、改善していくことが重要です。
KPIを設定せずに運用してしまうと、良かったのか悪かったのか分からない状態になり、次の施策にも活かせません。
例えば、再生数や視聴完了率、クリック率、コンバージョン数など、目的に応じた指標をあらかじめ設定しておくことで、動画の効果を正しく評価できます。
プロモーション動画の制作方法
プロモーション動画の制作方法には、大きく分けて「制作会社に依頼する方法」と「自社で内製する方法」の2つがあります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の目的や体制に応じて選択することが重要です。
制作会社に依頼する
制作会社に依頼する最大のメリットは、企画・構成・撮影・編集までを一貫して任せられる点です。
動画制作のノウハウを持つプロが関わるため、ターゲット設計や訴求ポイントの整理、視聴されやすい構成など、成果につながる動画を制作しやすくなります。
また、撮影機材や演出面でもクオリティを担保しやすく、ブランドイメージを損なわない仕上がりが期待できます。
一方で、費用がかかる点や、社内で細かくコントロールしづらい点はデメリットといえるでしょう。
自社で内製する
自社で動画を制作する場合、コストを抑えながらスピーディーに運用できる点がメリットです。
近年ではスマートフォンや編集ツールの進化により、一定のクオリティの動画であれば内製でも対応可能になっています。
一方で、
- 企画や構成のノウハウが不足しやすい
- 担当者のスキルに依存する
- クオリティにばらつきが出る
といった課題もあり、特に成果を求める場合には難易度が高くなる傾向があります。
結局どちらを選べばいいのか?
制作方法を選ぶ際は、動画の目的と求める成果のレベルで判断することが重要です。
例えば、
- SNS運用などで継続的に動画を発信したい場合は内製
- 商談や広告など成果に直結する動画を制作したい場合は制作会社への依頼
が適しています。
特にプロモーション動画は、ターゲット設計や訴求の整理によって成果が大きく左右されるため、初めて制作する場合や重要な施策として取り組む場合は、制作会社に依頼する方が効果的といえるでしょう。どのような動画を制作すべきか悩んでいる場合は、まずは専門会社に相談してみるのも一つの方法です。
まとめ
プロモーション動画は、単なる「映像制作」ではなく、認知拡大・販売促進・ブランディングといった目的を達成するためのマーケティング施策です。
そのため、成果を出すためには、
誰に届けるのか(ターゲット)
何を伝えるのか(訴求ポイント)
どのように成果を測るのか(KPI)
といった設計が欠かせません。
一方で、これらを自社だけで最適に設計・運用するのは簡単ではなく、「動画は作ったが成果につながらない」といったケースも少なくありません。だからこそ、戦略設計から制作・活用までを一貫して考えることが、成功の鍵になります。
「自社に合った動画の活用方法がわからない」「どのような動画を作るべきか整理したい」「成果につながる動画施策を設計したい」といったお悩みをお持ちでしたら、お気軽にご相談ください。貴社の目的や課題に合わせて、最適なプロモーション動画をご提案いたします。

監修者
渡邊 友浩(株式会社LOCUS 事業推進グループ チーフ)
2017年、動画制作・動画マーケティング支援を行うLOCUSに入社。営業としてBtoB/BtoC問わず累計80社以上の動画活用を支援。現在は事業推進グループとして、宣伝会議やデジタルハリウッドSTUDIOをはじめ、企業・団体向けセミナーで多数登壇。現場で培った経験をもとに、企業のYouTube活用やブランディング動画など、動画マーケティングの戦略立案と実践的な活用ノウハウを発信し続けている。




