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2023-06-02 11:39

YouTube「スーパーチャット」の仕組みについて徹底解説

YouTubeのスーパーチャット(スパチャ)とは

YouTubeには「スーパーチャット」という配信されている動画コンテンツに対しての投げ銭システムがあります。YouTubeには、動画の再生数などによる収益化システムが既にありますが、2017年に、「Super Chat」略してスパチャという動画に対する投げ銭システムがライブ配信に対して導入されました。スパチャの基本的な仕組みと使い方、また動画を配信する側の収益化の仕組みをわかりやすく解説します。

配信者にスパチャを贈る

スパチャは、ライブ配信中に動画の配信者に贈ることができる投げ銭システムです。動画アップロード型の普通のYouTube配信には使えません。また、プレミアム公開の動画でも使用でき、やり方は簡単です。

・ライブ配信中の動画を視聴する

・チャット欄の¥マークをタップ

 


・Super Chatを選択、金額とコメントの入力欄を表示

 


・購入して送信をタップ


・支払い方法を選択して決定

スパチャの価格帯と色

動画コンテンツに投げ銭ができる金額は、デバイスによって変わります。

・Android 100円~50,000円
・iOS    120円~12,000円

 

上記の価格の範囲内で価格設定ができます。送信したコメントはしばらくの間固定されて表示されます。固定される時間は、金額が高いほど長く、安いほど短く設定されています。
1日の投げ銭できる金額の上限は50,000円までです。スパチャの色も価格によって変化します。

多額のスパチャをするほど目立つ色で長く表示されるので、配信者や視聴者に気づいてもらいやすくなりますし、金額も表示されるので、配信者は多額の投げ銭をしてくれたファンに対してリアクションしやすくなるのです。

 

スパチャを行うにはクレジットカードの登録が必要です。

・クレジットカード
・デビットカード
・バンドルカード
・PayPal
・キャリア決済

 

いずれかの決済方法を登録すれば投げ銭が使えるようになります。

動画の配信者がスパチャを受けとる方法

収益化の条件

スパチャを受けとるには、一定の条件を満たさなければいけません。

・過去1年間で4,000時間以上再生
・18歳以上
・チャンネル登録者数1,000人以上
・スパチャ利用可能な地域在住
・コミュニティガイドラインに違反していない
・YouTubeパートナープログラムメンバー

 

YouTubeのいわゆる収益化の条件なのですが、スパチャも広告による収益化と同じタイミングで利用が可能になります。

ライブ配信を売りにしているYouTuberには非常に有益な機能になります。動画配信の再生回数による収益だけではなく、投げ銭による収益が追加されることで、より多くの収益を得ることができるようになります。

また、フォロワーがそれほどいなくてもファンが熱狂的であれば、高めの投げ銭を投げてくれる可能性もあり、インフルエンサーの収益の可能性を広げてくれます。

設定方法


・YouTube Studioにログイン
・メニューから「収益受け取り」をタップ
・メインダッシュボード上部メニューより「Supers」をタップしてSuper Chatを有効にする。

 

収益

スパチャの売り上げは、すべてを受け取ることができるわけではありません。売り上げの70%を配信者が受けとることができます。30%は手数料として運営に差し引かれます。また、iOSアプリを使用している場合は、Appstore手数料が別途appleから約20%さらに引かれます。

つまりiOSアプリを利用すると全体の約50%が手数料として引かれてしまうのです。多くの場合が、50%以上を差し引かれます。裏技としてアプリを利用せずにsafariなどでログインして投げ銭をすると、appleから手数料は引かれずに投げ銭をすることが可能だそうです。

iOSアプリから投げ銭する金額の設定が少し中途半端になってしまうのは、手数料を加算した上で、割り切れる価格設定にするためです。

収益受け取り

前月の収益額が翌月の前半に確定し、後半に支払い処理が行われます。スパチャだけではなく、広告再生などの収益すべてがまとめて支払いされます。

 

スーパーチャットランキング

スパチャで大金を稼ぐインフルエンサーは必ずしも登録者数と比例していません。
ライブ配信を得意とするVTuberは必然的にスパチャでの売り上げも高い傾向にあります。

2022年のスパチャ売上ランキング!

1位 ゲーム実況 加藤純一
https://www.youtube.com/@junchannel

チャンネル登録者数 118万人 売上額 2億4,055万円
Eスポーツチーム「ムラッシュゲーミング」オーナー。裏表のないあけすけな発言とユーモラスな実況で人気となった。別名うんこちゃん。

 

 

2位 NIJISANJIEN  VTuber VoxAkuma
https://www.youtube.com/@VoxAkuma

チャンネル登録者数 132万人 売上額 1億4,671万円
過去からやってきた最強の悪魔を名乗るVTuberグループNIJISANJIENのメンバー。ゲーム配信や雑談配信を行う。

 

 

3位 VTuber 沙花叉クロヱ
https://www.youtube.com/@SakamataChloe

チャンネル登録者数 108万人 売上額 1億1,847万円
VTuberグループホロライブ6期生「秘密結社holoX」の掃除屋。

 

スパチャは、動画の再生数と違って実際に金額表示されているので、数字が明らかにわかります。チャンネル登録者数で言えば、もっと上がはるかにいますが、ゲーム配信をはじめとするVTuberの視聴者が、実はスパチャの収益をもっとも有効活用しているのです。

トップの売上が年間で2億円ということは、動画再生数から得られる収益も含めたら相当なものだと考えられます。
ちなみに加藤純一さんは2023年に1日で2億1,500万円ものスパチャを受けとり、世界一を記録しています。

Super Stickersとは?

Super Stickersは、2019年に導入されたサービスで、やはり動画のライブ配信中にコメント欄に貼り付けできるスタンプ機能です。コミカルなアニメキャラのスタンプが贈れるので、動画配信者を応援するための投げ銭だけでなく、サポートメッセージをユーモラスに伝えることができます。

 

Super Stickersの利用方法や受け取り方法は原則スパチャと同じです。Super Chatと隣合わせで表示されるので、同じ方法で設定すれば利用できます。

違う点は、スパチャが金額設定をある程度自分で設定できるのに対してSuper Stickersは、あらかじめ決められたステッカーの金額を支払って使う点にあります。高いステッカーになるほど装飾が多く、派手で目立ちます。アニメーションとして動き出すものまであります。

スパチャよりも動画配信者に対して感動や情感を伝えやすい傾向にあります。動画
視聴者と配信者のコミュニケーションこそが、ライブ配信の醍醐味なので、さまざまな表現手法があることが、魅力的な配信につながります。

プレミアム公開

概要

YouTubeには、配信日時をあらかじめ設定して配信するプレミアム公開機能があります。公開前からサムネイルが表示され、テレビ番組のように時間になったら視聴できる機能です。

YouTubeプレミアムと勘違いされやすいですが、全く違う機能です。YouTubeプレミアムは、視聴者が広告を見ることなく快適に動画を視聴できる有料の視聴機能であり、プレミアム公開は、配信者が時間を決めて配信する機能です。

プレミアム公開では、スパチャやSuper Stickersなどの投げ銭機能を利用することができます。ライブ配信ではないにも関わらず、チャット機能が開放されるのです。
チャット機能は、プレミアム公開終了後に閉じられてしまいますが、アーカイブ上で表示/非表示を選択することができます。

プレミアム公開後は、チャット機能は使えませんが、コメント機能は通常の動画同様にいつでも使うことができます。
録画を配信した上でスパチャを使えるので、うまく使えば多くの収益を得ることができる機能です。

活用方法

プレミアム公開は、通常の配信動画よりもスペシャルなコンテンツを発信する時に効果的です。
新しい音源発表するミュージシャン/新商品を発売するインフルエンサーや企業/大事なお知らせ/イベントの告知/講義などの勉強会

事前告知

通常の配信と違ってイベント性が高いので、SNSなどで告知をしたり、予告動画を出しておくことで集客率を通常以上に高めることが可能になります。
ショート動画などをつくり、YouTubeだけでなくTikTokやツイッターで告知することで、幅広い視聴者にアクセスしてもらうことが可能になります。

通常の配信やライブ配信と差別化してスペシャルなコンテンツを発信することで、視聴者に新たな視点で楽しむ喜びを与えることができます。
ライブ配信と同じように双方向でコミュニケーションをすることができるので、エンタメ性の高いやりとりが可能になります。

ライブ配信は苦手だが、動画コンテンツにまとめるのは得意だという配信者にとっては、非常に有益なサービスと言えます。

 

【まとめ】

スパチャやSuper Stickersは、視聴者と配信者の関係性をつなぐ大切なハブでありながら、利益を生むツールでもあります。コミュニケーションツールのひとつでありながら、それが配信者に大きな利益をもたらしたのです。

オンラインにおける娯楽の問題点はスキンシップが用意にできないことにあります。ところが、これらの投げ銭ツールは、報酬を渡すことを通じてコミュニケーションを交わし、視聴者と配信者の距離感を縮めることに成功しています。

このような投げ銭ツールは、SNSにおけるエンタメに不足しがちな踏み込んだスキンシップを可能にしたのです。距離感を縮めにくいITコミュニケーションにおける画期的な技術と言えます。

視聴する側のリアルな状況は、原則ひとりであることが多いため、いくらたくさんの視聴者と時間を共有していても、コメント欄に参加して不特定多数とコミュニケーションを交わすのは、簡単ではありません。

ところが、好きな配信者のためにサポートをしたいという福祉的行為であったり、他の視聴者よりも強くアピールしたいという強い欲求を通じて積極的にコミュニケーションに参加することを可能にしたのです。

LOCUSでは動画活用からコンサルティングを行っておりますので、YouTubeの活用など、ビジネスで動画を活用することに興味がございましたらお気軽にお問合せください!

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