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動画のCTA(コールトゥアクション)をマスターしよう!

マーケティングに欠かせない「CTA(Call to Action):コールトゥアクション」とは、各種タッチポイントにおいてクリックやフォーム入力といった特定の行動を促すもので、動画マーケティングにおいても、着実にマーケティング成果を得るために重要な要素です。

動画の場合、動画視聴途中や視聴後に、サイト訪問、問い合わせ、資料請求、メルマガ登録、次の動画の視聴、シェアなどのCTAが考えられ、マーケティング設計次第でその内容を選択します。

動画はその訴求力の高さから、視聴者を引きつけ、興味を喚起し、理解を促進する効果が高いため、動画視聴直後の“温まった状態”は次の行動を喚起する絶好のタイミングと言えます。つまり動画を企画制作する段階から効果的なCTAを設計し、配信する際に的確に設定することが重要なのです。

そこで本記事では、CTAの基本から応用までを前後編に分けて解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.メディア/プラットフォーム別CTAの種類と機能
  2. 2.動画配信プラットフォーム
  3. 3.CVRがもっとも高い表示タイミングとは?
  4. 4.CTAに使う言葉は何がベスト?


メディア/プラットフォーム別CTAの種類と機能

動画マーケティングにおけるCTAを設置する場所は、「動画内」と「動画を掲載しているウェブページ内」に大別することができます。

動画プレイヤー内に設置するCTAは、動画を配信するプラットフォームやメディアによってその機能や種類が異なります。

一方、Webページ内にCTAを設置する場合は、その自由度は無限大と言えます。動画視聴後にすぐにアクションを起こせるよう、動画の近くに置くという大原則さえ守れば、そのデザインも内容も、表示させるタイミングも自由自在です。

前編の今回ではまず、多くの企業が利用している各種プラットフォームやメディアが備えるCTAの種類と機能をまとめました。


YouTube

YouTubeでCTAとして活用できるのは以下の5つです。順番に解説していきます。

  • カード
  • 終了画面
  • 説明文(概要欄)
  • Call-to-Actionオーバーレイ(動画広告配信時のみ)

  • TrueViewアクションキャンペーン(インストリーム広告フォーマットでのみ利用可)

カード

カードは1本の動画に最大5つまで設定でき、右上の「i」マークをクリックすることで表示されます。カードの内容は、「YouTube動画」「再生リスト」「チャンネル」「関連ウェブサイトのリンク(※一定条件あり)」から選択が可能です。表示タイミングも自由に設定でき、PCでもモバイルでも表示されるカードは、CTAとして有効活用したい機能です。

▼設定画面


▼「i」マークを押すとカードが表示されます


詳しくはYouTubeヘルプをご参照ください。

終了画面

終了画面とは、動画の最後の5~20 秒の中の任意のタイミングで、「他の動画または再生リスト」「チャンネル登録」「チャンネル」に誘導できるCTAです。PCにもモバイルにも対応しており、動画視聴後に行動を促す上で非常に有効ですが、要素の大きさや配置に一定の制限があるため、終了画面機能を使うことを想定した上で、動画のエンディングのデザインや尺を考えることがポイントです。



詳しくはYouTubeヘルプをご参照ください。


説明文(概要欄)

動画を通して興味を持った人はYouTube動画の「説明文(概要欄)」にも目を通す可能性があります。説明文内でも、各種リンクを貼るなどして次の行動を促す対策も忘れないようにしましょう。SEO対策としても有効です。


Call-to-Actionオーバーレイ

Google AdWordsを通して動画広告として配信する場合は、「Call-to-Actionオーバーレイ」を活用することができます。機能はサイトへのリンクのみで、テキストと画像を入れることもできます。カードを設定している場合は、CTAオーバーレイとカードのどちらか一方しか表示させることができません。


TrueViewアクションキャンペーン

動画本体の下に、商品やサービスを宣伝する見出しテキストとともに、「詳しく見る」「資料請求する」「今すぐ予約!」等の任意のフレーズを備えたリンクボタンを設置できるのがTrueViewアクションキャンペーンです。動画から独立した表示形態のため視認性が高く、終始表示されているため、クリックを得やすいCTAを言えそうです。

画像参照元:Think with Google

以上のように、YouTubeではさまざまな形で次のアクションを促すことができますが、YouTube内には常に多数の“ライバル動画”が隣り合わせで存在します。YouTube内で次々に関連動画を視聴させるよりは、まずは早くWebサイトやLPに移動させ、そこでさまざまな動画を視聴してもらう設計の方が、興味を持った潜在顧客をつなぎとめ、マーケティングファネルの次の段階へと進めやすいかもしれません。


Vimeo


Vimeoでは無料プランか有料プランを選ぶことができますが、有料プランを利用すれば以下のCTA機能を使うことができます。

  • 終了画面(Vimeo Plus以上のユーザー)
  • カード(Vimeo Business以上のユーザー)
  • インタラクティブ動画(Vimeo Enterprise以上のユーザー)

終了画面

動画再生の終了後に表示されるCTAです。「その他の動画」「共有オプション」「カスタム画像」「カスタムリンク」「登録フォーム」の中から選択できます。


カード

動画再生中の任意のタイミングでリンク・画像・テキストを表示できるのが「カード」機能です。設定として、動画のどの位置に表示するかを決めるタイムスタンプとカードのタイトルの入力が必要になります。オプションとして概要、リンク、サムネイルも追加できます。カードを追加できる最短時間は6秒です。


インタラクティブ動画

Vimeoのインタラクティブ動画機能は、視聴者との関与を高めるために提供されるツールです。これにより、動画内で視聴者がアクションを考えることができる仕組みを組み込むことが可能です。

提供するインタラクティブ動画の主な機能は次の通りです。


1.カスタムエンドスクリーン
動画の最後にカスタムエンドスクリーンを追加し、視聴者に次のステップへ誘導します。CTA(行動喚起)ボタン、ウェブサイトリンク、動画再生リストなどを表示可能です。

2.クリック可能なホットスポット
動画内の特定の場所をクリックすると「ホットスポット」エリアを作成できます。リンクや追加情報を提供するために設定したりします。

3.チャプター(セクションナビゲーション)
長い動画をセクションに分けてチャプターを設定します。視聴者は興味のある部分に簡単にスキップできます。

4.クイズやフォーム
動画内で質問を入力し、クイズ形式でインタラクションを追加することが可能です。リード獲得やフィードバック収集のためにフォームを組み込むことも可能です。

5.カスタマイズ可能なCTAボタン
動画中または終了後にCTAボタンを追加可能です。購入、ダウンロード、問い合わせなどの行動を促進します。

6.ブランディングのカスタマイズ
ロゴやブランドカラーを使用して動画をカスタマイズできます。一貫性のあるブランド体験を提供します。

7.イベントトリガー
動画視聴中の特定のタイミングでイベント(ポップアップやリンク表示など)を設定します。

これらの機能は特に、マーケティング、教育、eラーニングコンテンツで活用されています。


Facebook/Instagram

FacebookおよびInstagramでは、動画広告として配信する場合にのみ、下記一例ようなCTAボタンを動画の下に設置することができます。ただし、キャンペーンの目的によって選択できるCTAが変わり、また広告を作成する段階でコールトゥアクションボタンを選択する必要があります。 こちらのページで、配信面と目的によって選べるCTAの種類を確認できます。

  • 詳しくはこちら
  • 購入する
  • 予約する
  • 申し込む
  • 登録する
  • ダウンロードする
  • 他の動画を視聴


X(旧Twitter)


X(旧Twitter)でも、広告を配信する際に設定できるCTAがあります。動画クリエイティブを活用できるCTAは以下となります。

  • 独立した動画広告
  • Webサイトボタン付きの動画広告
  • アプリボタン付きの動画広告
  • カンバセーションボタン付きの動画広告
  • 投票付きの動画広告

X(旧Twitter)ではカンバセーションというユニークなCTAを提供しています。カンバセーションは「あなたはどちらが好き?」といった問いかけなどとともに、任意のハッシュタグを使ったCTAを設定できるというもの。ユーザーがCTAボタンをタップすると、選択されたハッシュタグと予め設定されたブランドのメッセージがツイート本文に表示され、適宜編集した上で動画付きでツイートすることができます。サイトに遷移させるような通常のCTAとは異なる概念ですが、会話を生み出すきっかけとなるツイートと動画がユーザー間で広まることが期待されます。

詳しくは公式サイトをご参照ください。




動画配信プラットフォーム


各社が提供している有料の動画配信プラットフォームでは、CTAの種類(ボタン、入力フォームなど)から表示方法・タイミングまで、マーケティング効果をより高めることを目的としたCTA機能が充実しています。サービスによりその内容が異なるため、ここでは詳細は省略しますが、CTAをより効果的に活用していきたい場合には、各サービスの機能を比較してみるとよいでしょう。

なお、Webページ内に動画を直接置く場合でも、特定のタイミングで動画上にフォームを表示させるなどのプログラムを組むことで、プラットフォームと同じような見せ方をすることが可能です。ただしこの場合、プラットフォームのように、動画再生率や離脱率などの各種データを取得することはできません。


CVRがもっとも高い表示タイミングとは?

動画の中にCTAを置く場合、考えられるタイミングは「動画の前」「動画の途中」「動画の最後」の3通りです。

まずはCTAのタイミングごとのメリット、デメリットをまとめてみます。

場所
メリット
デメリット
動画の前

動画を再生する前に必ずCTAを目にすることになるため、一定の興味を持っていればクリックされる可能性がある。

動画視聴前ではCTAをクリックする意義が分からないため、スキップされたり、最悪の場合、動画自体を視聴されないケースも考えられる。

動画の途中

動画のストーリー構成に合わせ、もっともCVを獲得しやすいタイミングでCTAを表示することができる。

視聴者が動画に入り込んでいる状態であるとも言えるため、その最中にCTAを表示することで、視聴体験を低下させる可能性もある。

動画の最後

動画を完全視聴したということは、相当に関心が高まっている状態であり、高いCVRが期待できる。

どれだけ魅力的な動画であっても動画の最後まで完全視聴する人は一定数減るため、CTAを目にする人も絶対的に少なくなる。


以上を踏まえた上で、Wistiaが公開したデータを見て見ましょう。


下の円グラフの通り、同社の動画プラットフォームを介して配信された動画の95.9%が「動画の最後」にCTAを設置していました。動画視聴を妨げることなく、CV(コンバージョン)の可能性が高い視聴完了者だけにCTAを表示する、というのが多くの企業の考えなのでしょう。

しかし、CTAの表示タイミングごとのCVR(コンバージョン率)を比較したのが下のグラフで、「動画の途中(Middle)」がもっともCVRが高くなっています。

「動画の途中」はその範囲が広いため、さまざまな要因により総じて高くなっているとも考えられます。しかし、視聴者は今すぐ動画の続きを見たいと考えている状態であるため、考える隙を与えずに確実にアクションを起こさせることが比較的容易なタイミングであることは間違いないでしょう。

また、例えば新しいウェブサービスを紹介する動画であれば、最後まで視聴しなくても、動画の途中に無料トライアルへのリンクを貼ることは、視聴者にとっても有益と考えられ、必ずしも最後に設置するのがベストとは言い切れないことが分かります。

以上のように、設置タイミングのメリット・デメリットを理解した上で、その動画の目的やコンバージョンの内容によって、最適なタイミングを検討することが大切だと言えそうです。


CTAに使う言葉は何がベスト?

CTAをどこに配置するかに加え、どのような言葉を使うかも、クリック率を左右する大きな要因です。Wistiaが分析したところ、効果の高いCTAには「パワーワード」や「アクションワード」が使われているケースが多いことが分かっています。

4つのパワーワード


CTAに限らず、広告メッセージとしてもよく使われる、訴求力の高い単語がパワーワードです。今回は以下の4つのパワーワードを取り上げます。

ワード
特徴

You(あなた)

あなた」と問いかけることで視聴者が自分だけに語りかけられていると感じるため、エンゲージメントの向上が期待できる。パーソナライズド動画を用いて、視聴者の氏名を表示できるとさらに効果的だが、「あなた」でも十分効果は見込める。

Free(無料)

「無料」という条件は意思決定のハードルを下げる効果がある。
さらに、無料なのに何かしらの価値を得られるという期待が高まるため、クリックを促す力がある。

Now(今)

人は何か価値を受け取るなら早いほうがよく、待たされることを好む人は少ない。そのため「今」「今すぐ」といった表現に対して脳が無意識に反応する。

New(新しい)

脳は新しさを求めており、それによって興味をかき立てられ、さらに学ぼうとする性質がある。CTAに「新しい」というニュアンスを加えることで、さらにその先への関心を引きやすい。


この4つのパワーワードを使ったCTAのCVRを比較したのが次のグラフです。

いずれのパワーワードもCVRが高めであることが分かりますが、中でも「Free(無料)」というワードが12.22%という高いCVRを記録しています。


商品やサービス、あるいはホワイトペーパーなどを無償で提供しているのであれば、「無料」であることをCTAで強調し、より多くのリード情報の獲得を狙うとよいでしょう。


ただし少し注意も必要です。というのも、無料であることで気軽にクリックやフォーム入力する人が増えるため、リードの質が下がる可能性も考えられます。

6つのアクションワード

続いてアクションワードについてです。そもそもCTAは何かしらの「行動」を促すものであり、起こして欲しい行動を言葉で示したほうがその意図が的確に伝わります。アクションワードの代表的なものとしては、以下の6つが挙げられます。 


Click(クリックする)
Download(ダウンロードする)
Register(登録する)
Signup(サインアップする)
Buy(購入する)
Try(試す)


下のグラフは、アクションワードを含まないCTAと比較して、6つのアクションワードを使った場合のCVRの差を示したものです。

「Buy(購入する)」を除き、アクションワードを含めたほうが、含めない場合よりもCVRが高いことが分かります。そしてその中でも「Signup(サインアップする)」がもっとも効果的な表現であることが明らかです。

代表的なアクションワードである「Click(クリックする)」のCVRは、他のすべてのCTAの平均よりもおよそ2%高いとのことですが、アクションワードの中では4番目のCVRです。これは、「クリックする」よりも「ダウンロードする」「登録する」など、より具体的な行動を示す言葉の方が、視聴者自身がクリックする目的をより明確に理解し、その先に起こることを具体的にイメージできるためだと推測されます。

なお、今回ご紹介したのはあくまで英語を使ったCVRの比較であるため、日本語にそのまま当てはまるとは限りません。しかし、より具体的なアクションを示した方がよい点などは、日本語におけるCTAにも応用できそうです。

また何より、CTAの言葉ひとつによってCVRが大きく変わる可能性があることは明らかです。ABテストなどを通してより効果的な言葉を見極めることが重要であると言えるでしょう。



昨今は、複数のメディアやプラットフォームをまたいだ動画配信がスタンダードとなりつつあり、それぞれが備えるCTA機能を適切に活用することが求められます。

CTAはコンバージョンを獲得するためのものですが、視聴者の立場に立ち、視聴者にとって便利で有益なオプションを提供できているか、という点を常に意識することがポイントとなります。CTAは既存の動画にも設置することはできますが、理想としては、動画の企画段階からCTAの目的や配置を考えておきたいものです。

また優れたCTAは、優れた動画においてのみ、その効果を発揮します。どれだけ魅力的なCTAを設計しても、動画そのものが視聴者を引きつけるものでなければ、クリックされる可能性は低いことは覚えておきましょう。

つい忘れがちなCTAですが、動画マーケティングの効果を高めるために、確実に実施するよう心がけていきましょう。

具体的にどうやってCTAを取り入れたら良いのかわからないという方は、まずはLOCUSにご相談ください!

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